【合否を分けるBランク過去問:労基法⑤】年次有給休暇の罠を見抜く
カテゴリー:年次有給休暇の権利と行使 *【第1問】平成28年 労働基準法 問7 肢A* **問題文**: 休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は年次有給休暇請求権の行使ができないと解されている。 **正誤**: 正 **ポイント**: 「労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がない」のである。 **解説**: 長期休業中の労働者の年次有給休暇の行使に関し、「休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができない」と解されている。 **出題根拠**: 法39条, 昭31年2月13日基収489号 --- カテゴリー:出勤率と比例付与 *【第2問】平成28年 労働基準法 問7 肢B* **問題文**: 【労働基準法第39条に定める年次有給休暇に関して】全労働日と出勤率を計算する当たり、法定休日を上回る所定の休日に労働させた場合におけるその日は、全労働日に含まれる。 **正誤**: 誤 **ポイント**: 全労働日に「含まれる」ではなく、「含まれない」である。 **解説**: 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によつて定められた所定休日を除いた日をいう。したがつて、「所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれない」とされている。 **出題根拠**: 法39条1項, 平成25年7月10日基発0710第3号 *【第3問】令和6年 労働基準法 問6 肢B* **問題文**: 月曜日から木曜日まで1日の所定労働時間が8時間の週4日労働で、1週間の所定労働時間が32時間である労働者が、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に労働基準法第39条の規定により当該労働者に付与される年次有給休暇は、次の計算式により7労働日である。〔計算式〕10日×4日/5.2日≒7.69日 端数を切り捨てて7日 **正誤**: 誤 **ポイント**: 「1週間の所定労働時間が32時間」である場合は、比例付与にはならず、設問のような取扱いにならないので誤り。 **解説**: 週所定労働時間が30時間未満であり、かつ、週所定労働日数が4日以下(又は年間所定労働日数が216日以下)である労働者については、年次有給休暇の「比例付与」の対象となる。設問の労働者は、1週間の所定労働時間が32時間のため、比例付与とならず、通常の日数の年次有給休暇(10日)を付与しなければならない。 **出題根拠**: 法39条3項, 則24条の3 --- カテゴリー:年次有給休暇の付与方法(半日単位・時季指定) *【第4問】令和1年 労働基準法 問6 肢E* **問題文**: 労働基準法第39条に定める年次有給休暇は、1労働日(暦日)単位で付与するのが原則であるが、半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用されている場合には認められる。 **正誤**: 正 **ポイント**: 「労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合」である。 **解説**: 「年次有給休暇の半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用されている限りにおいて、問題がないものとして取り扱う」とされている。 **出題根拠**: 法39条4項, 平成21年5月21日基発0529001号 *【第5問】令和2年 労働基準法 問6 肢E* **問題文**: 使用者は、労働基準法第39条第7項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たっては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならず、これにより聴取した意見を尊重するよう努めなければならない。 **正誤**: 正 **ポイント**: 聴取した意見を尊重するよう「努めなければならない」。 **解説**: 使用者は、法39条7項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たつては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならず、これにより聴取した意見を尊重するよう努めなければならない。 **出題根拠**: 法39条7項, 則24条の6 *【第6問】令和6年 労働基準法 問6 肢C* **問題文**: 令和6年4月1日入社と同時に10労働日の年次有給休暇を労働者に付与した使用者は、このうち5日については、令和7年9月30日までに時季を定めることにより与えなければならない。 **正誤**: 誤 **ポイント**: 「令和7年9月30日まで」ではなく、「令和7年3月31日まで」である。 **解説**: 使用者による時季指定(法39条7項)に関して、法定の基準日(雇入れの日から6か月後)より前に10日以上の年次有給休暇を付与した場合には、使用者は、その日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させなければならない。例え入社日(4月1日)に前倒しで10日以上の年次有給休暇を付与した場合には、その日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させる必要がある。したがって、設問の使用者は、5日については、令和7年3月31日までに時季を定めることにより与えなければならない。よって、本肢は誤り。 **出題根拠**: 法39条7項, 則24条の5第1項 --- カテゴリー:時季変更権 *【第7問】令和5年 労働基準法 問7 肢D* **問題文**: 【労働基準法に定める労働時間等に関して】労働基準法第39条第5項ただし書にいう「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断に当たり、勤務割による勤務体制がとられている事業場において、「使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことに代替勤務者が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たると解するのが相当である」とするのが、最高裁判所の判例である。 **正誤**: 誤 **ポイント**: 勤務割変更のための配慮をせずに時季変更権を行使することは、許されない。 **解説**: 「そのような事業場において、使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たということはできないと解するのが相当である」とするのが、最高裁判所の判例である。(弘前電報電話局事件) **出題根拠**: 法39条5項, 最判昭和62年7月10日 (弘前電報電話局事件)

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