丸山ゴンザレスさん×精神科医@gonzalesmaruyamathedeepworld
【この動画の概要】 丸山ゴンザレス × 芳賀高浩(精神科医)対談 **芳賀**:どうもこんにちは。「精神科医のお悩み相談クリニック」の芳賀でございます。今日はなんと、ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんに来ていただきました。よろしくお願いします。 **丸山**:よろしくお願いします。ジャーナリストの丸山ゴンザレスです。普段は海外の危険地帯に行ったり、国内の“やばい”人に会いに行ったりと、自分の好奇心の赴くままに取材をしています。 **芳賀**:ありがとうございます。今日は、世の中の裏も表も知る丸山さんに、医療や薬、患者さん、医療業界について疑問に思っていることをぶつけていただき、私が答えるディスカッション形式で進めます。私は精神科医ですが内科のライセンスも持っています。では、早速いきましょう。 テーマ1:日本のOTC(市販)薬は「弱い」のか? **丸山**:日本って薬の効き、弱くないですか? 東南アジアなどの薬局では“強め”の薬が普通に出てくる印象があって、日本はマイルドだと聞いたことがあります。 **芳賀**:良い質問です。市販薬は「OTC薬品」と呼ばれます。大きく分けると、①もともと処方薬だった成分が市販化されたもの、②最初からドラッグストア向けとして独自に発展してきたもの、の2系統があります。②の系統は“弱い”わけではなく、たとえば総合感冒薬のように複数成分を少量ずつブレンドする文化で発展してきました。病院の処方薬に同じ配合は基本的にありません。 またOTC領域は巨大な産業で、医療保険の外側にある独自のロジックで動いています。ここ5〜10年で、日本でも医療費高騰の流れの中、昔は処方でしか使えなかった鎮痛薬・抗アレルギー薬・外用ステロイドなどが次々と市販化されています。海外に比べ“弱い”というより、制度と歴史の違いが大きかったと言えますが、日本もかなり変化してきました。 テーマ2:腐敗食品に対する“本能”と発酵食品の学習 **丸山**:取材で衛生環境の悪い場所の食事もあえて口にします。素材が腐っていると、口に入れる直前に本能的にブレーキがかかる感覚があります。これは人間の本能でしょうか? また、珍味や発酵食品は“学習”で食べられるようになるのでしょうか? **芳賀**:本能的な回避は確かにあります。ただ、日本のように普段から腐敗食品に触れない環境では、その“感度”は鈍りがちです。丸山さんのように現場経験が多い方は、相対的に感度が高くなるでしょう。 発酵食品は、個人の学習に加えて文化・世代を横断した“嗜好の刷り込み”の影響も大きいです。同じ環境で育てても、日本人は味噌・醤油・納豆を好みやすい。完全に遺伝子とは言い切れませんが、文化的学習が長期に蓄積した結果、嗜好の傾向が集団として現れると考えられます。 テーマ3:食あたり時の“とにかく食べる”は正しい? **丸山**:腐ったものを食べて嘔吐・下痢をした後、私は“とにかく食べて飲む”派です。再び吐いたり下したりしてでも、体内のものをどんどん入れて出す。体感的には治りが早い気がします。これは医学的に正しいですか? **芳賀**:結論から言うと、一般的にはおすすめしません。嘔吐・下痢は体が毒素を排出する生理的反応ですが、そこで大量に摂ると、排出をさらに促進し、体力消耗が大きくなります。通常は、まず水分・電解質の補正を優先し、消化にやさしいもの(おかゆ、ゼリー食、バナナ、ヨーグルトなど)から段階的に戻すのが教科書的です。 丸山さんが体力で押し切れているだけで、多くの人にはリスキー。脱水・電解質異常の方が危険です。 テーマ4:危機で“行っちゃえ!”となるマインド **丸山**:命の危険がある場面で、私は縮こまるより“行っちゃえ!”となります。これは何が起きているのでしょう? 一方で、日常の遅刻などには強い焦りを感じます。基準がズレているのでしょうか。 **芳賀**:ストレス対処(コーピング)のスタイルです。幼少期からの成功体験の積み重ねで、“動いた方が結果が良かった”が刷り込まれているのでしょう。行動しないで悪い結果になるより、行動して良し悪しは受け止めるほうが“しっくりくる”タイプです。 遅刻に過敏なのは、フリーランスの自律的な時間管理や対外的信用の問題が直結するため。社会の“標準”と自分の“標準”がズレることはあり得ますし、職業特性がそれを強めることもあります。 テーマ5:精神科の入院判定の基準 **丸山**:ライターの村田ラムさんが昔、潜入取材で精神科に“詐病”で入院しようとしたら、編集部の圧で本当に追い詰められて「死にたい」と言ってしまい、入院になったという話があります。入院の基準は? **芳賀**:前提として、診断名が必要です。外来で安全・効果的に治療できない、または自傷他害リスク等がある場合に入院適応になります。「死にたい」という訴えは、切迫度や一貫性、具体性によって重みが変わります。落ち着いたトーンでの一般論的な発言と、切迫した反復的訴えでは、リスク評価が全く違います。 **丸山**:当時、ラムさんは入院後に“ベゲタミン”が処方され、強い鎮静で身動きが取れないほどになったと。 **芳賀**:ベゲタミンは複数薬の合剤(いわゆる“カクテル”)で、作用が強く、副作用の問題も大きかったため製造中止になりました。個々の成分自体は今も使われますが、あの配合が強力でした。病気でない人が飲むと過鎮静に傾きやすいのは当然です。 **丸山**:彼は後で「実は潜入取材です」と医師に打ち明けたのに、あっさり流され、しばらく退院できなかったそうです。 **芳賀**:臨床では“言動の一貫性”が回復の指標になります。伏線もなく突然「ライターです。潜入でした」と言われると、妄想的告白と区別がつきにくい。入院中の診療時間は短く、限られた情報で判断します。経過全体の筋道が通れば退院は近づきます。 テーマ6:病棟の“怖さ”と隔離 **丸山**:精神科病棟では、隔離されていないフロアで症状の強い方と同じ空間にいるのが怖かったと彼は言っていました。 **芳賀**:病棟はゾーンで区切られ、24時間隔離から、日中のみ共同スペースに出る形まで段階があります。怖さの本質は“行動予測がつかない”こと。人は無意識に周囲の行動を数秒先まで予測していますが、その枠から外れる行動(突然走り出す、大声で叫ぶ等)が連続すると強い恐怖を感じます。自傷他害リスクや予測不能性が高いと、隔離の必要性が高まります。 テーマ7:精神科の受診ハードルと今後 **丸山**:精神医療のニーズが高まっています。もっと気軽に受診してほしい? それともセルフケア重視? **芳賀**:現時点では「まず気軽に受診」が妥当だと考えます。ただ、将来的には受診者増加と医療資源の制約から、適切に振り分けられ、セルフケアや地域資源へ導くフェーズが増えるでしょう。保険制度の持続性も関わります。 テーマ8:機内や現場で「お医者さんはいませんか?」に名乗り出るか **丸山**:旅が多く、機内で「お医者さんは…」の場面を何度か見ました。芳賀先生は名乗り出ますか? 複数の医師が集まった場合はどうなりますか? **芳賀**:子どもと一緒なら“来たぞ、俺のターン”で即座に行きます。一人の時は気分次第…とはいえ、実際はほぼ出てます。複数集まれば、専門や現場経験(ICUや重症対応の頻度)で自然に“誰が責任を持つか”が決まります。循環器・呼吸器・消化器・救急・外科など、生命危機対応に慣れた科が前面に。眼科・皮膚科などの先生が先に出てくれるのは勇気が要る行為で、心から敬意です。適任者が来たらスマートに引き継ぐ――それが理想です。 私が内科を選んだのも、どこでも即応できる“汎用性”を持ちたかったから。現場で子どもに“父ちゃんカッコいい”と言われる瞬間は、正直うれしい(笑)。 テーマ9:医局・診療科の“ヒエラルキー”と人気 **丸山**:医師の世界のヒエラルキーや人気科は? **芳賀**:良くも悪くも“どれだけ命に直結する事案を扱っているか”で重みは生まれます。救命救急はシフト勤務で休みやすいという売りもありつつ、リアクティブ(指名されない)な特性から“人気”は中位。美容外科は営業・自由診療の色が強く、費用対効果を重視する人に人気。スポーツ経験から整形に進むなど、動機はさまざまです。 日本は皆保険で若手の給与差が小さいため、まだ“やりたい分野に行く”が成立しています。制度としては不確かさを孕みますが、現状は各科にばらけている印象です。 まとめ **丸山**:疑問が一通り解けました。ありがとうございます。 **芳賀**:こちらこそ、最高に“現場感”のある質問でした。本日のまとめリンクに丸山さんのチャンネルも貼っておきます。うちのチャンネルにもまた出演いただければ。では今回はこのへんで。ありがとうございました。 **丸山**:ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。では、さよなら。 【精神科医のお悩み相談クリニックとは?】 胡散臭くない、営利目的でない、本当に実際の診療を通して得た学びを皆さんと共有したくて始めている動画です。日々の生活で少しでもお役に立てるとうれしいです。 【おすすめの動画】 ★デパス、ワイパックス、ソラナックス、代表的な抗不安薬を網羅的に解説した動画です。 • Video ★デパス、エチゾラムの功罪についてまとめました。たびたび悪い意味で話題なるお薬ですが、もちろんいいところもあります。できるだけ中立的にまとめた動画です。 • Video ★デパス、エチゾラムは悪なのか?いえ、悪ではありません。という内容です。デパス、エチゾラムは私のライフワークの1つともいえるテーマです。中立的にかつ分かりやすい例えをもちいて解説しました。 • Video ★依存症回復の教科書、12ステップとは?私のワイフワークのひとつ、依存症の回復の教科書と呼ばれているビックブックの12ステップについて解説しました。ちょっと渋い内容ですが、大切なお話だと思っております。 • Video お仕事のご依頼や、お問い合わせはメールでお気軽にご連絡ください。 [email protected] 【一読していただきたい注意】 動画の内容は精神科医である私の診療を通してえた感想です。あくまで私の感想ですので、参考にするかどうかは視聴者のみなさまで判断していただければと思います。個別の診断や治療に関するアドバイスは責任を持ったものは残念ながらできませんので、一般論としての私の意見しかできないことをわかっていただけるとありがたいです。この動画を通じて起こりえる損害に対しては対応したいですが、一般論と私の感想によるものですので、限界があることをご理解ください。 #精神科医のお悩み相談クリニック #精神科医 #統合失調症 #うつ病 #パニック障害 #不眠症

すすきの頭部切断●人 犯行に協力精神科医の父…/家族を支配する引きこもり/精神科医 芳賀高浩

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