無情でも雨は歌のように

遠くの空が滲んで 夜を吸い込む 置き去りの吐息だけが 外灯の下で薄く光る サヨナラさえ言わないまま 面影は霧に溶けた 温もりだけ まだこの指が 覚えていて離さなくて 無情にも雨は降り続く 冷たい粒が瞼を叩く 心だけずぶ濡れのまま 傘もさせずに たたずむ私 濡れた歩道に映る影 ひとつだけが ゆらり揺れてる 名前のない記憶の欠片 雨音にかき消されて さよならさえ言わないまま 面影は霧に溶けた 温もりだけ まだこの指が 覚えていて離さなくて 無情でも雨は歌うように 優しかった日々を洗い流して 心の中この静けさが 綺麗なまま私を閉じ込める 路地の水鏡 映るのは 誰でもない ひとりぼっちの空 胸の奥 錆びついた時計が 止まった刻を まだ刻んでる 無情でも雨は歌うように 戻らない明日を連れ去って 私だけ置いてゆく 雨音だけが そっと 無情にも雨は降り続く 冷たい粒が瞼を叩く 心だけずぶ濡れのまま 傘もさせずに たたずむ 無情でも雨は歌うように 優しかった日々を洗い流して 心の中この静けさが 綺麗なまま私を閉じ込める