春、言えなかった言葉 Haru, Ienakatta Kotoba

春、言えなかった言葉 (Haru, Ienakatta Kotoba) 【Intro】 春の雨が 駅のホームを濡らして 君の背中だけが 少し遠くに見えた 【Verse 1】 風吹けば揺れる花びらを ひとつ 掌に受け止めて 消えてしまうその儚さに なぜか君を重ねていた おはようも さよならも 何度だって交わせたのに たったひとつのこの想いだけ 唇の先で眠ったまま 【Pre-Chorus】 あと一歩だけ 近づけたなら 春の色は変わったのかな 【Chorus】 君が笑うたび 世界は淡く色づいて 私はただ その景色の隅で 小さな花になりたかった 「好きです」と たったそれだけの言葉が 喉の奥で季節になって 何度も咲いては散っていく ねぇ この恋は 始まることさえできないまま 春の雨に溶けてゆく 【Verse 2】 帰り道の夕焼けに 君は少し照れながら 「大切な人ができたんだ」 そう 嬉しそうに笑ったね その瞬間 胸のどこかで 静かに何かが音を立てた 桜が散るのはこんなふうに 何も言わず終わるのだろう 【Pre-Chorus】 伝えられないままの想いは 行き場を失った鳥のように 春の空を ただ彷徨っている 【Final Chorus】 君が誰かを想う瞳を 私はずっと見つめていた 触れられなくてもよかった ただ隣で笑っていたかった もしも一度だけでも 勇気を出せていたなら この痛みも違う名前で 呼べたのかな 「君が好きでした」 その五文字だけが 遅すぎる春を抱きしめて 胸の奥で今も 静かに降り続いている 【Outro】 掌に残った 一枚の花びら 言えなかった言葉だけが 季節になれずに まだ ここにいる