B群パーソナリティ症に絡まれたらどうしたらいいのか?精神科医が解説します。

今回は、「B群パーソナリティ傾向のある人に絡まれたとき、どのように対処すればよいのか」というテーマでお話しします。 パーソナリティ症は、従来、特徴によってA群、B群、C群に分類されてきました。B群には、反社会性パーソナリティ症、境界性パーソナリティ症、演技性パーソナリティ症、自己愛性パーソナリティ症が含まれます。 ただし、最初に大切なことをお伝えしておきます。パーソナリティ症は、本来、精神科医が本人を診察し、長期間にわたる行動や対人関係のパターンを慎重に検討したうえで診断するものです。気に入らない人、攻撃的な人、空気を読まない人を、安易に「B群」と決めつけてよいわけではありません。 一方で、医療者同士の会話では、対人関係において周囲を激しく巻き込む人や、理不尽な攻撃を繰り返す人に対して、「B群的な傾向がある」と表現することがあります。正式な診断名というより、対人関係上の特徴を表す俗な言い方として使われている面があります。 私は発達特性があり、衝動的に発言してしまったり、周囲の空気を十分に読めなかったりすることがあります。そのため、周囲から「あの人は発達特性が強いから仕方がない」と言われることもあります。 それと同じように、理由もなく人を妬んだり、執着したり、逆恨みしたりする人に対して、「B群的だから距離を置いたほうがよい」と語られることがあります。 なぜ他人を巻き込んでしまうのか B群パーソナリティ症をひとまとめに説明することはできません。それぞれ病理も特徴も異なります。 しかし、一部の人には、自分の存在価値を安定して感じられない、強い空虚感を抱えている、他人から認められなければ自分を保てない、といった問題がみられます。その苦しさを、自分の内側だけで処理することができず、周囲の人を巻き込むことで埋めようとする場合があります。 境界性パーソナリティ症では、見捨てられることへの強い不安や、慢性的な空虚感がみられることがあります。相手を理想化したかと思えば、突然激しく否定するなど、対人関係が不安定になりやすいことも特徴です。 自己愛性パーソナリティ症では、自信に満ちているように見えても、内面には傷つきやすさや不安定な自己評価を抱えている場合があります。他人から評価されることや、優位に立つことに強く執着し、自尊心が傷つけられたと感じると、相手を攻撃したり、貶めたりすることがあります。 もちろん、これらはあくまでも一般的な説明です。すべての当事者が他人を攻撃するわけではなく、診断を受けながら自分の問題と向き合い、治療を続けている方も大勢います。 私自身が経験したこと 最近、私はある医師から強い敵意を向けられていると感じる出来事がありました。 私はYouTubeで、自分の診療に対する考え方や精神医学について発信しています。その動画を見た患者さんが、「芳賀先生の診療を受けたい」と口にしたことがあったようです。 すると、その患者さんを担当していた医師が、私に患者を奪われると感じたのか、私に対して強い警戒心や敵意を示すようになりました。 しかし、私には、他の医師が診ている患者さんを奪いたいという気持ちはまったくありません。 私は、とにかく多くの患者さんを集めたいわけではありません。自分が責任を持って診療でき、生活を維持できる範囲で診療を続けたいと思っています。すでに信頼できる主治医がいる方には、できる限りその先生との関係を大切にしてほしいと考えています。 YouTubeについても、有名になりたい、テレビに出たい、他人から称賛されたいという気持ちだけで続けているわけではありません。私は、自分が考えていることを言葉にして話すこと自体が好きなのです。 もちろん、チャンネル登録者数10万人で贈られる銀の盾は欲しいと思っています。これは、私の発達特性に伴う一種のこだわりなのかもしれません。しかし、世間から特別な人物として認められたいという気持ちは、少なくとも自分ではそれほど強くないと感じています。 それでも、私の発信や活動を見て、「ずるい」「患者を集めている」「名声を得ようとしている」と受け取る人がいます。 私は以前まで、誰かから嫌な態度を取られたとき、まず「自分が何か悪いことをしたのではないか」と考える傾向がありました。相手が私を妬んでいる、勝手に敵視しているという可能性は、最後まで考えないようにしていました。 これは基本的には大切な姿勢です。何でも「相手が嫉妬しているだけだ」と考えてしまえば、自分の問題を振り返れなくなるからです。 しかし、世の中には、こちらが現実的な問題を起こしていなくても、一方的に敵意を向けてくる人がいます。こちらがどれほど説明しても、譲歩しても、誠実に接しても、相手の攻撃が終わらない場合があります。 「自分が悪い」と考え続けない 理不尽に攻撃されているとき、多くの人は次のように考えます。 「自分が何か失礼なことをしたのではないか」 「もっと相手を立てれば、攻撃されなくなるのではないか」 「相手の寂しさや不満を満たしてあげれば、関係が改善するのではないか」 しかし、相手の攻撃が、その人自身の空虚感、嫉妬、傷つきやすい自尊心、支配欲などから生じている場合、こちらがどれほど努力しても問題は解決しません。 相手に合わせ続け、必要以上に謝罪し、機嫌を取り、服従したとしても、要求はさらに大きくなることがあります。相手を満たすことによって攻撃を止めようとすると、いつの間にか自分が家来のような立場に置かれてしまいます。 だからこそ、まず必要なのは、「今回の問題は、本当に自分の言動が原因なのか」を冷静に確認することです。 自分に改善すべき点があるなら、そこは認めて修正すればよいでしょう。しかし、事実を振り返っても明確な問題がなく、相手が一方的な思い込みや嫉妬によって攻撃しているのであれば、必要以上に自分を責めるべきではありません。 「自分は1ミリも悪くない」と言い切ることが常に正しいわけではありません。しかし、理不尽な攻撃を受けている人にとっては、「何もかも自分のせいではない」と理解することが非常に重要です。 距離を取れない場合の対処法 一般的な対処法としては、まず距離を取ることが勧められます。 連絡の頻度を減らす。二人きりで会わない。個人的な情報を渡さない。感情的な議論を避ける。必要なやり取りだけを書面に残す。職場や学校であれば、上司、教師、相談窓口など第三者を介入させる。 ただ、同じ職場や同じ学校、同じ家庭にいる場合、完全に距離を取ることは困難です。 その場合は、相手を説得して変えようとするよりも、境界線を明確にすることが大切です。 「その言い方には応じません」 「必要な話はメールでお願いします」 「この件については第三者を交えて話します」 このように、対応の範囲を明確にします。攻撃や嫌がらせが続く場合には、日時、場所、発言内容、メールやメッセージなどを記録してください。脅迫、つきまとい、名誉毀損、業務妨害などに発展した場合には、職場、学校、警察、弁護士などへの相談も必要です。 大切なのは、相手の感情をすべて理解し、満たし、救ってあげようとしないことです。 相手の人生の空虚さや不安定さを、あなたが埋める責任はありません。 理不尽な攻撃を受けたときには、自分の行動を一度は振り返る。しかし、根拠のない攻撃まで、すべて自分の責任として引き受けない。相手を満たすために、自分の尊厳を差し出さない。 これが、B群パーソナリティ傾向のある人から一方的にターゲットにされたとき、最も大切な考え方だと思います。 精神科医の芳賀高浩が語りました。

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