廃虚に“ポツリ食堂”人気の理由 絶品“町中華”&行列の先に名物“かつめし”【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2025年8月31日)
“ポツリ食堂”は“廃虚に残された名店”としてSNSなどで話題。名物グルメを求めて、全国各地から詰めかけているお客さんも。人々を惹きつけてやまない絶品グルメ。ナゼこんな所に?人気のポツリ食堂を追跡しました。 ■知られざる絶品“町中華” こんな所に人気店が?そう思わずにはいられない薄暗い建物に、人々が吸い込まれていきます。にわかには信じられないこの場所に、人々を惹きつけてやまない絶品グルメの数々がありました。 そのお店があるのは、千葉県君津市。最寄り駅は、東京から電車でおよそ2時間の久留里駅です。 駅から歩くこと2分。周りに飲食店が見当たらないこの場所。通路の奥にお店があるのは間違いないようですが、一人で足を踏み入れるのはかなり勇気がいります。 恐る恐る進み続けること、およそ20メートル。ついに見つけました。こんな所にポツリ食堂。 1976年に創業した「喜楽飯店」。中華料理を提供し続けておよそ半世紀。早くて安くておいしいと評判。チャーハンはわずか30秒ほどで作る早業です。地元の人たちのお腹を満たしてきました。 常連客(70代) 「レバーがやわらかくて、ふんわりしている。おいしい」 初来店(50代) 「また来たくなる味。また同じものが食べたくなる」 隣町からきた60代の女性。 常連客(60代) 「1人で食堂は入れないけど、ココだけは1人で行こうって。この味に心をつかまれた」 お店の評判を聞いてやってくる女性客も多いんです。 初来店(70代) 「おいしい味をありがとう」 お店を切り盛りするのは前田さん夫婦。夫の雄一さん(75)、そして妻の静子さん(74)です。 メニューは48種類。夏限定メニューは「肉とナスのみそ煮」です。 常連客(60代) 「とてつもなく熱いあんがかかっている。お皿で冷やしてから食べる。(夏は)これしか食べない」 なんとも分かりづらい場所にあるにもかかわらず、客足が途絶えないお店。昼間3時間だけの営業とあって、行列ができる時もあるんです。 そんなお店には、創業当時から続く看板メニューがあります。 これぞ「喜楽特製メン」。とろみがかったスープと、およそ20センチの豚肉が特徴です。 豚モモ肉の薄切りを中華スープやしょうゆなどでサッと味付け、片栗粉を混ぜてあんかけ状態にします。麺は細めん、スープは豚骨や野菜を煮込んだ秘伝の中華スープをベースにしたしょうゆ味。ここに、先ほど仕上げた豚肉2枚を豪快に乗せるんです。 店主の雄一さんが試行錯誤を重ねて生み出した一杯。これを生み出せたから、お店を出そうと決心したそう。 喜楽飯店 前田雄一さん(75) 「他がやっていないメニュー。自分で食べてみて、これならいける」 およそ半世紀にわたり愛されるポツリ食堂の名物グルメ。それにしてもなぜ、こんな人目につかないような場所で、ポツリと営業を続けているのでしょうか? 店主の雄一さんは「前はスゴかった。にぎわっていて」と、懐かしそうに語りました。 今でこそお店が見当たらないこの地域。実は20年ほど前まで商店街があったのです。この通路にも、花屋さんや本屋さんなど7軒のお店がありました。 雄一さん 「おばさんが『店やれよと長男なんだから』ここが空いてるから『ここでやるべ』と始まった」 中華料理店で修行を積んでいた雄一さんは、20代で静子さんとお店を始めました。ところが、周りからはこんな声が。 静子さん 「『あんな若い連中すぐやめる』『すぐつぶれる』と言われていたが一番長くやっている」 人口の減少とともにお店がどんどん減っていき、気付けば長年続く飲食店は1軒になっていました。 続けられた原動力は、何だったのでしょうか? 静子さん 「旦那さんが好きだから頑張りましたよ」 今では、ポツリと存在する独特の店構えがSNSなどで話題となり、わざわざ足を運ぶ人も増えているんです。 静子さん 「キレイにすると、お客さんが来るんだろうか?気軽な格好で来られるのがいいんじゃないの。『昭和レトロな感じがする』というお客さんもいる」 こちらは、20年通い続けている夫婦。 常連客(70代) 「『幸せな味』がします」 「僕たちにとって『“宝物”』。長くやってほしい」 ■行列の先に名物“かつめし” 兵庫県加古川市にも“ポツリ食堂”があります。 そこは、どこからどう見ても「廃虚」と呼ぶしかないような場所でした。しかし、建物の裏手にまわって驚きました。廃虚に、たった一軒だけ食堂があります。 初来店 「(Q.常連客?)初めて。YouTubeで見た。」 常連客 「有名、地元では。食べてみたら分かる」 なかには、こんなお客さんもいました。 初来店 「滋賀から」 「(Q.何時間くらい?)1時間半ぐらい」 なんと滋賀県からわざわざ来たといいます。駐車場には、三重ナンバーや静岡県ナンバーの車も止まっています。 そして午前11時オープン。こちらは1974年創業の「千成亭」。ランチタイムの4時間だけの営業です。 常連客(60代) 「最高です」 切り盛りするのは千久谷さん親子。母親の千秋さんは77歳です。 料理を担当するのは、息子の武さん48歳。 千成亭 竹久谷武さん(48) 「食べるのも好きですし作るのも好き。体型見たら分かると思いますけど」 ランチメニューは10種類。こちらは人気のセットメニューです。 初来店(20代) 「(焼きめし)大中小とあったから小を頼んだけどスゴイ」 メイン料理に水餃子やサラダなど4品が付いた「よーいどんセット」。焼きめしにトンカツやからあげがトッピングされたメイン料理は、食べ応え抜群です。 初来店(20代) 「チャーハンもしっかり油が利いてておいしい」 初来店(30代) 「このボリュームなら(値段も)納得。めっちゃ満足」 廃虚のような場所にポツリと一軒だけある人気食堂。こちらを一躍有名にした限定の名物メニューがあります。 これぞこのお店の名物メニュー、50食限定の「かつめし」。牛肉のカツレツに、特製のデミグラスソースがたっぷり。売り切れ御免、50人だけが味わえる限定グルメです。 初来店客(50代) 「すごくおいしい。サクサクして」 常連客 「朝ごはん抜いてきました」 戦後に加古川市で生まれた「かつめし」。カツレツには国産の牛肉を使用。 武さん 「牛ももの“しんたま”という部分。脂身が少ないけどやわらかい」 “しんたま”とは内ももの下にある希少部位。 武さん 「薄くしたほうが、ご飯とソースと食べる時に一体感が出る」 揚げ方にもこだわっています。パン粉は、生パン粉と乾燥させたパン粉を使用。 武さん 「サクサク感が長持ちする」 味の決め手、デミグラスソースもこだわりがあります。 まずは、野菜や牛筋などをワインで煮込んだ「洋風のソース」を作ります。続いて、「白みそ」や「カツオだし」などを合わせた「和風ソース」を。洋風と和風、2つのソースを混ぜているのです。こうして、オリジナルのデミグラスソースを仕上げています。 この日、「かつめし」は2時間で売り切れ。 常連客(60代) 「ただのデミグラスじゃなくて和風だから、ご飯がすすむ」 それにしても、なぜこんな場所でたった一軒だけ営業を続けているのでしょうか? 千秋さん 「何でやろね。今の状態がいいのかも。お客さんにしたら懐かしいと言われる」 廃虚に見えるこの場所は、1971年にできた市場でした。最盛期は48軒ものお店が集まっていたといいます。ところが、大型スーパーの進出や店主の高齢化で衰退。15年ほど前には、ここ「千成亭」だけになってしまったのです。 千秋さん 「1軒になっても頑張ろうと思った。みんな来てくれるなじみ客が」 もともとこのお店は、千秋さんが夫婦で始めました。しかし、苦楽を共にした夫は3年前に他界…。お店を救ってくれたのは、フランス料理店で働いていた息子の武さんでした。 武さん 「『継がなくていい』と言われていた。僕もそのつもりだった。でも母に元気になってもらうには店をしたほうが元気が出ると思った」 今や、ポツリ食堂は「廃虚に残された名店」としてSNSなどで話題に。名物グルメを求めて、全国各地からお客さんが詰めかけています。 武さん 「父もお客様に喜んでもらうことが大好きだった。お客さんが待ってでも食べてもらえるようになって、本当に喜んでいるんじゃないかな」 [テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp

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