伊万里鍋島焼窯元「市川冬山窯」次世代を担う職人 市川俊樹さん【佐賀県】 (25/10/08 18:19)
伊万里市の大川内山で江戸時代から続く「伊万里鍋島焼」窯元が減っていく中、父に憧れ10代で修行を始めすでに2つの資格を取得、伝統と技術を守りながら時代に合った新たなデザインを生み出す職人を取材しました。 今年で350周年を迎える伊万里鍋島焼。 伊万里市大川内山には29の窯元が立ち並んでいます。このうち、58年前に開窯したのが市川冬山窯です。 現在は、二代目の市川直純さん(63)歳と息子の俊樹さん33歳が二人で協力しながら焼き物をつくっています。 もともと透かし彫りや色鍋島の香炉を専門としていましたが今では食器など様々な作品を手がけています。 幼いころから父・直純さんの背中をみて育った俊樹さん。 一緒に仕事をするようになった今も尊敬してやみません。 【市川俊樹さん】 「父が伝統工芸士でかっこいいと思っている。仕事を一緒にやりたいという中で同じ資格をとりたいという気持ちがあった」 【市川直純さん】 「私も継げとは言っていないが本人がやると言ったら教えるし協力する感じ」 素焼きした器に絵付けを行う下絵付けで俊樹さんは一級技能士の資格を29歳で取得。資格取得者で作る技能士会のメンバー35人の中で最年少です。 さらに、今年は伝統工芸士の認定も受けました。 こちらも伊万里・有田の伝統工芸士会メンバー71人の中で最も早く取得しました。 【市川俊樹さん】 「まずはホッとした。ものすごく努力したので」 同じ伝統工芸士の資格をもち伊万里有田焼伝統工芸士会の副会長・畑石さんは・・ 【畑石眞二副会長】 「ただ描けばいいというものではなくデザイン性、バランス、そういう部分もあるし品格などしっかりしていて売ってもいいレベル。若い年代ではあるが40代50代と力つけていって最高の焼き物作っていただきたい」 高校卒業後は製造工場で働いていた俊樹さん。自分にしかできない仕事がしたいという思いから陶芸の道へ進むことを決めました。 日々修行を重ねる中、俊樹さんの考えが変わる大きな出来事がありました。 【市川俊樹さん】 「初めてうちの父が僕に窯を任せてくれてたいたときに失敗をした。窯をたいて失敗するというのは今までやってきた工程が無駄になる。9割ほどが父の作品で1割が僕の作品。僕の作品だけダメになればいいんですけど父の作品もダメになっちゃって・・」 【市川直純さん】 「1つ1つの仕事丁寧に行ない作品に責任を持つということ」 この失敗から仕事に対する姿勢が変わったと話す俊樹さん。 寝るときにも焼き物のことを考えているといいます。 【市川俊樹さん】 「常に何か考えておかないとアイデアが降りてこない。何も考えていないと何もできない」 現在は独自のデザインを考案し光の方向や見る角度によって色や表情が変化する「虹彩磁」という新たな作品を手がけています。 【市川俊樹さん】 「伝統的な吹墨という技法と掛け分けという技法を用いて新たに虹彩磁というのを生み出した。うちの祖父や父がやってきていない自分なりの冬山窯の作品」 全国の百貨店などからの依頼で大阪や福岡などにも出展。 9月行われた西日本陶磁器フェスタでは客が投票して順位を決める催しで77の窯元がエントリーする中、4位入賞を果たしました。 後継者不足などで伝統を受け継ぐことが難しくなっている中、俊樹さんが焼き物の道を選んだことについて直純さんは・・ 【市川直純さん】 「うれしいです。父が興した窯なのでそれが自分の代で途切れるというのは残念な気持ちもあるので継いでくれるのはありがたい」 メンバーの中で最年少で2つの資格の認定を受けた次世代を担う職人。江戸時代から受け継がれてきた鍋島藩窯の伝統と技術を守りながら時代に合った新たなデザインを生み出します。 【市川直純さん】 「時代に合った作品つくらないと基本は基本で持っていてアレンジして、今に合った作品を作って皆さんに応援していただければ」 【市川俊樹さん】 「お客様に冬山のがいい、おたくの焼き物じゃないとと言われるように頑張っていきたい。そういう作品を1つでも多く作っていきたいと思っている」

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