「私の顔を時間を返して…」一瞬で一生が変わった福島・飲食店爆発事故 巻き込まれた女性の凄絶な体験 (23/07/31 19:15)
2020年7月30日・午前8時57分。福島県郡山市島2丁目の飲食店で爆発事故が発生。厨房に設置されたガス管の腐食部分から、ガスが漏れ出し爆発したとみられ、1人が死亡、31人がケガをした。事故から3年、爆発に巻き込まれた被害者の女性が胸の内を明かした。 <気づいたら3日経っていた> 「ポーチのファスナーを開けてお金を取り出そうとしたところまでの記憶はあったんですけども、そこからは全く分からなくて。気づいたときには3日が過ぎていて」 福島県郡山市で美容室を経営する49歳の女性。あの日、売上金を入金するために銀行を訪れた際、事故に巻き込まれた。 <被害者の凄絶な体験> 女性は爆風で3mほど吹き飛ばされたという。 「爆発音も救急車の音も、全く聞こえていないです。爆発の音よりも爆風が強くて、たぶん数秒差なんでしょうけど。それで飛ばされたので。最初、事故当時は右上4本は爆風で歯茎ごと飛ばされてない状態でしたので。病院に運ばれたときに胃袋に2つ歯があって、1つは口の中にぽろんってあって1つは外に出ちゃったであろうっていう感じで」 <自分の顔がオバケみたい> 上あごと下あごの粉砕骨折。顔の神経断裂など全治3カ月の大ケガをし、10時間に及ぶ手術で300針を縫った。 「この辺がもう麻痺なんですよね。いーってやったときに、ここが動かない。鼻も膨らませたり閉じたりってやっても、ここが動かないんですよね。あとは写真を撮りたくなくなりました。写真で見る自分の顔ってほんとにオバケみたいなんです」 <今の方が苦しい…> 事故から約2カ月後に退院したが、縫合手術により口角は二度と上がらなくなった。 「食べること・飲むこと・話すことは、すべて変わりました」と言うように、口回りは麻痺しているため、飲み物を飲む際にはストローが手放せず、リハビリをしなければ呂律が回らないという。これまでに受けた手術は、大小を合わせて10回以上に上り、これからも治療は続く。 「とにかくすべてが不自由になっちゃったので、そういう不自由さは言葉に出さなければ誰もわからないことなので。そう言った面での苦しさっていうのは、むしろ事故当時よりも今のほうが苦しいですかね」 <一瞬で一生が変わってしまった> 検察は2023年3月に、業務上過失致死傷の疑いで書類送検された当時の運営会社の社長やガス管の設置業者など合わせて5人を「過失の認定は困難」として不起訴処分とした。 「本当に私はただ単に、銀行に用事があってATMを利用しに行っただけ。それで一生変わってしまった。一瞬で一生が変わってしまったので、そこに対して責任の所在も明らかにならないってどういうことって思ったら、このまま引き下がるってことは絶対にしたくないって思って」 女性は検察の不起訴は不当として検察審査会に審査を申し立てた。 <時間と体を返してくれるのであれば> 事故の責任は誰にあるのか?その所在を明らかにすることを望んでいる。 「事故を起こした側を思うと、私の顔を返してって思いますし。私は時間と自分の体が元に戻るのであれば、返してもらえるのであれば、何も言わないです。でもそれが出来ないからこそ、やっぱりもう補償してもらうしかないじゃないですか。綺麗ごとなしに、ちゃんと償ってしっかり補償してもらいたいって望んでます」 <事故を巡る賠償> 飲食店を運営していた会社などが設立した基金から、建物などへの被害が一部補填されているケースもあるが、事故から3年を経ても賠償は進んでいないというのが現状。 <民事裁判で明らかになっていること> 損害賠償を巡っては、郡山市が検察が不起訴とした5者に建物の所有者を加えた6者に対し、600万円あまりを求めて裁判が続いている。 郡山市の代理人によると、6者は共通して「自分たちに責任はない」という主張をしているという。ただ具体的な主張や根拠は出そろっていないため、判決が言い渡されるのは2024年以降と長期化する見通しだという。また郡山市以外にも、近くの靴店とその保険会社が損害賠償を求めている。 <刑事責任の所在 民事裁判への影響> 被害者の女性は検察審査会に申し立てをし、刑事責任の所在が明らかになることを求めている。被害女性の申し立てによって、審査会が起訴が相当と判断し検察側が起訴をした場合、損害賠償を求める郡山市の代理人は警察などの捜査資料を重要な証拠とし、裁判を有利に進めたい考え。 いまだ多くの個人や企業、関係機関が事故の被害に苦しむ中で、一刻も早い救済が待たれる。

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