夏の憂鬱

空は透き通る それなのに心は 影を抱いたまま 青い雲 遠くほどけて 光は静かに頬をなぞる 風の音は空へ溶けても 季節に追いつけない 夕焼けは美しいほど 消えてしまうことを知って 夏の憂鬱 夢の彼方へ ガラスの欠片みたいな空 ゆらりゆらり風にほどけて 青は今日も淡く滲む 星が降るたび胸は静まり 月影だけが寄り添っている 終わらないでと願うほどに 季節は静かに巡っていく ヒマワリは風に揺られて 笑うように空を見上げた 入道雲ほどける向こう 名もない光が眠る 蜃気楼 揺れる景色へ 透明な想いが溶けて 夏の憂鬱 夢の彼方へ 水面に砕ける青い星屑 ふわりふわり時は流れて 記憶だけが風に残る 夜空を染める銀の光は 優しすぎて少し痛い 美しいほど儚いから この季節を抱きしめていたい 朝露は誰にも知られず 静かに世界を映して この胸のうれいさえ 夏の景色へ溶けていく 夏の憂鬱 夜の彼方へ 蒼く瞬く光を抱いて ゆらりゆらり夢の続きへ 風とともに歩いていく 終わることさえ美しいなら 涙もきっと星になれる 巡る季節 歌を預けて 夏は静かに微笑んでいる 夏の憂鬱は  空へ溶けてゆく