空を直そうとした若い瓦職人の不思議な物語(昔話・説話・古典文学)
昔、海と山に囲まれた小さな村に、ハルタという若い瓦職人が暮らしていました。 彼は目立つことを好まず、雨漏りする屋根や割れた瓦を黙々と直しながら、静かに日々を送っていました。 ところがある年の梅雨のころ、村に不思議な異変が起こり始めます。 晴れているはずの日に霧雨が降り、港の波は風と逆へ動き、ついには空に白いひびのようなものが現れました。 村人たちが戸惑う中、ハルタは母から聞いた言葉を思い出します。 「空も、大きな屋根のようなものだ」 そして彼は、村にあるものを集めて、誰も見たことのない五色の瓦を焼こうとします。 これは、壊れたものや忘れられた思いが集まり、静かにひとつの力へ変わっていく、幻想的であたたかな昔話です。

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