2025 #鈴鹿8耐 24番ピット8日間+8時間〜誰も知らない戦場. #FavoriteFactory& #65 moto box。夢を追い続け、EWCへ参戦し続けるプライベーターの内側から見た世界。
2025 #鈴鹿8耐 ワークスやメーカー系チームが綺麗に早く美しいドラマチックなレースが放送や鈴鹿のモニターで華やかに映っているいる多くの方々が知っている鈴鹿8耐の中で。 #24番ピット 、皆が知らないモニターにも映らない、それでも夢を追い続け世界耐久選手権(EWC)へ参戦し続けるプライベーターチームの内側から見た世界。 2025年8月3日、午前11時30分。 真夏の鈴鹿サーキットに、スタートシグナルが灯る。 55台のエンジンが一斉に咆哮し、メインストレートが轟音に包まれる。場内の大型モニターには、Honda HRCの赤、Yamaha Racing Teamの白と青が映し出される。実況の声が高揚し、スタンドを埋める観衆の歓声が鈴鹿の空へ溶けていく。 カメラは、決して第24ピットを映さない。 街のバイク屋が、世界へ挑む 大阪・豊中市。北摂エリアの静かな住宅街に、Favorite Factoryはある。 修理、整備、カスタム、販売——。店を訪れる人たちにとって、ここはただのバイクショップだ。しかしこの小さな店の壁に、夢が貼りついている。「鈴鹿8耐参戦」という、途方もない夢が。 Favorite Factoryが初めて鈴鹿に挑んだのは2014年のことだ。その年、使用マシンはSUZUKI GSX-R1000。予選は全70台中41位を記録した。決勝では転倒により一時は最下位に順位を落とし、完走も危うい状況に陥ったが、チーム戦略を立て直すことで着実に順位を挽回し、53位での完走を奪取した。 最下位近くからの挽回。それがこのチームの原点だ。諦めずに、手を動かし続ける。 翌2015年は、さらに過酷だった。予選は全82台中73位。規定周回数153周に対し150周と、完走賞まであと3周の差で予選通過を果たせなかった。 321は悔しさの中で、それでも得たものがあった。予選敗退後、別チームのオーナーに声をかけてもらい、ライダー・監督・メカニックとしてサポートに回ることで、レース戦略やイレギュラーへの対応力を磨く機会を得た。 fa 負けても、学ぶ。崩れても、また組み直す。これがFavorite Factoryというチームの生き方だ。 ◎ドイツから来たオレンジの仲間 やがてFavorite Factoryは、一つのチームと運命的に出会う。 ドイツのプライベーターチーム、Motobox Kremer Racing——EWCファンなら誰もが知る、あのオレンジ色のヤマハだ。ファンに長年愛されてきたチームで、チームマネージャーのManfred Kremerはこう語る。「ファンたちはライダーのサインを求めてくる。オレンジのバイクを見たいとピットウォークに並ぶ。こんな小さなチームのマネージャーとして、あそこへ行けることは本当に胸が躍る」 言葉も文化も違う。ドイツと大阪。しかし二つのプライベーターチームは、「EWCで戦い続ける」という共通の信念で結ばれた。Favorite Factoryは彼らの鈴鹿における日本側パートナーとなり、Motobox Kremer Racing #65は鈴鹿8耐でFavorite Factoryと組んで戦うこととなった。 <ピットという名の戦場> 午前11時30分、スタートの轟音が遠ざかると、第24ピットに独特の静寂と緊張が満ちる。 ワークスチームのピットとは何もかもが違う。専任データエンジニアも、億単位の予算も、何十人もの専用スタッフもない。いるのは、志でここまで来た人間たちだ。 無線に耳を澄ます監督。タイヤの状態を指先で確かめるメカニック。給油ホースの接続を何度も確認する手。モニターには自分たちのマシンは映らない。コース上でいま何が起きているのか——断片的な情報を、全員の感覚で補いながら判断していく。 ライダーが何人いても、ひとりが素晴らしいタイムを刻んでも、メカニックのちょっとしたミスがレース全体に悪影響を及ぼす。チームワーク——これが鈴鹿8耐の難しさであり、面白さだ。 ◎そしてピット作業の瞬間!このチームのすべてが問われる。練習してきた動きを、炎天下の緊張の中で再現する。タイヤ交換、給油、ライダー交代——一つひとつの作業に、積み重ねてきた時間が宿っている。 ◎15周で終わった夢、それでも 2024年大会。Favorite FactoryとMotobox Kremer Racingにとって、忘れられない一日がある。 ドイツのMotobox Kremer Racingは、Favorite Factoryとともに万難を排して日本へ渡り、FIM世界耐久選手権でのトップ20フィニッシュを目指していた。しかし、チームはレース序盤から機械的な問題、第2・第3 ライダーのモチベーション低下と体調見舞われ、わずか15周でリタイアを余儀なくされた。チームにとって10度目の鈴鹿挑戦は、無念の幕切れとなった。 Webike+ 15周。8時間のうちの、ほんの序盤。 ピットに戻ってきたマシンの前で、チームは沈黙した。積み上げてきた準備、海を越えてきた情熱、スポンサーへの思い——それがすべて15周で終わった。それでも誰も崩れない。プライベーターには、崩れている時間も、損失を補填してくれる誰かも存在しないのだから。 それでもMotobox Kremer RacingはEWCのチームランキングで10位を維持し、9月のボルドール24時間で再び挑戦することを誓った。 そして2025年、彼らは再び鈴鹿に戻ってきた。 完走賞まであと3周の意味 Favorite Factoryのウェブサイトには、こんな一行がある。 「完走賞まであと3周」——2015年の記録だ。 この言葉が、すべてを物語っている。頂点を語る言葉ではない。優勝を誇る言葉でもない。それでもこの3周の重さを、チームは知っている。届かなかった3周が、次の年の燃料になった。 プライベーターはライダーのパフォーマンスとメカニックの努力次第で、予算がワークスの10分の1でも戦える可能性がある。その細かな努力が積み重なり、結実する舞台が鈴鹿8耐だ。 モニターに映らなくていい。実況に名前を呼ばれなくてもいい。 第24ピットには、それでも消えない火がある。大阪の小さなバイク屋と、ドイツのオレンジチームをひとつにする、世界耐久選手権という夢がある。 チェッカーフラッグが振られるとき、そこにたどり着くことだけを考えて、今日も彼らはピットに立つ。 8時間は、終わらない。

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