【真夜中の図書館】ネクタイはもともと『兵士のスカーフ』だった ― 戦地から紳士の襟へ|第23夜
毎朝、男性が首にぎゅっと結ぶ、ネクタイ。 あれはもともと――戦地から戻ってきた、兵士の首巻きだったんです。 最近、ノーネクタイで働く方がぐっと増えました。クールビズという言葉も定着し、世界中で「脱ネクタイ」の流れが進んでいます。けれど、よく考えると不思議じゃありませんか?毎朝、首に一本の布を結ぶ。それを何百年も、男性たちが続けてきた――。 その答えは、「最初はおしゃれのためじゃなかった」というところに隠されています。 時は17世紀、ヨーロッパでは「三十年戦争」と呼ばれる長い戦いが続いていました。当時のフランスは、その戦いのために「クロアチア」から勇敢な傭兵をたくさん雇っていました。彼らはみんな、首に色とりどりの布を巻いていたのです。 それは、彼らの民族の伝統の結び方で結ばれていて――戦地に向かう兵士に、奥さんやお母さんが思いをこめて贈った、家族のお守りだったとも言われています。 戦いがひと段落して、彼らがフランスに戻ってくる。すると、その独特の首巻き姿が、フランスの貴族たちの目に止まりました。貴族たちは真似をして、それを「クラバット」と呼びました。フランス語の「ア・ラ・クロアット」、つまり「クロアチア風」がなまった言葉です。国の名前が、そのまま首巻きの名前になってしまったのです。 そしてここでまた、あの王様――ルイ14世が登場します。彼はクラバットを大いに愛し、自分専用の「クラバットを巻く係」の役人まで置いていたと伝えられています。その後、クラバットはレース、刺繍、宝石まで付けられて、どんどん派手に。今の細長くしゅっとした形になったのは19世紀以降、動きやすさが重視されてからです。 そして1924年、アメリカのラングスドルフが、ネクタイを三枚の布で斜めに縫い合わせる作り方を特許化しました。これが現代のしわになりにくいネクタイの形です。 戦地のお守り、貴族のレース、紳士の正装、ビジネスの記号、そして外す日。 布の意味は、ぐるぐる変わってきました。 今夜、ネクタイを締める朝も、外す朝も、どちらもこの長い物語の続きです。 🌙 チャンネル登録はこちら / @romikao_library #真夜中の図書館 #ネクタイ #雑学 #AIラジオ #深夜ラジオ #歴史 #ファッションの歴史 #クロアチア #ルイ14世 #第23夜 ※声はAI音声を使用しています。

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