「ママと同じになれないけど」…子どもを預かる里親制度 10年続ける里親のリアル【福島発】 (22/11/19 21:00)
経済的な理由や虐待など、様々な事情で家族と暮らすことができない子どもを預かる「里親制度」について考える。 福島県内では116人の子どもが里親家庭の下で暮らしているが、その倍以上の子どもは施設などで生活していて、里親家庭の登録数は十分ではないという。 子どもたちが安心して暮らす選択肢を広げるためにも、サポートが求められている。 *** <まずは理解を…優しい社会へ> 福島・本宮市で行われた里親に関する説明会。児童相談所が制度について理解を深めてもらおうと開催し、この日は2022年から0歳児を受け入れている里親の女性が体験談を話した。 里親:「少しの成長でも、みんなで喜んで見届けさせていただいているなと思うと、やっぱりやらせてもらって良かったなと思います」 福島中央児童相談所・佐藤早苗所長:「いろんな困難を抱えている人、子どもも社会の一員で自分自身も社会の一員で、社会全体で子どもたちの未来を作っていくという雰囲気とか、気持ちになっていただければありがたいんですね。直接里親にならなくとも、そういう子どもがいて、そういう里親家庭がいるということを知っていただいて、応援していただく。そういう優しい社会になっていけばいいなと思います」 <忘れてもらっていい…里親の思い> 高木美幸さん:「本当かわいいの。子どもたちも見たがりますね。”私の小さいときの写真見せて”とか”私がここのおうちに来た時の写真見せて”とかいいます」 福島市の高木美幸さんは、養子縁組を目的としない養育里親として、これまで15人の子どもを受け入れてきた。預かるのは、一時的に保護が必要な子や長期的な支援が見込まれる子などで、期間も2~3日から10年以上と様々だ。 高木美幸さん:「短期間の子どもは、家庭に帰ることが一番のやっぱり幸せだと思うので。うちのことは忘れちゃってもらいたいなと思います」 高木さんが里親になったきっかけは、東日本大震災の津波で両親を失った子どもたちを知ったことだった。 高木美幸さん:「ママと同じにはなれないけど、代わりになってあげることはできるよ。だったらうちにおいでよ。というふうに思ったのが、里親を知るきっかけになりました」 <喪失感にある子どもと向き合う> 里親になって10年。子どもたちと接し、感じることは「親と離れて暮らす」ことへの喪失感。自分自身をどの程度受け止めてくれるか、ものを投げたり壊したりするなど、あえて大人を困らせることがあるという。 高木美幸さん:「どこまで付き合ってくれるんだろうというのを試している訳なので、どこまでも付き合うよというのを見せてあげたいと思って、やらせておきます。普通のママとかパパとかと同じで、もちろんイライラもしますよ。ただね、私たちは社会的な責任というのも、心の中には強くあるので」 <様々な家族の形があっていい> 19歳で長女を出産した高木さん。思い通りにいかない育児の辛さを経験している。 高木美幸さん:「本来は、里親に預けなければいけないということがない社会になるのが、一番ではあると思うんですけど。虐待に至る前に、子育てが大変な時にヘルプを出せるような環境が身近にあって、助けを求められる社会があればいいなと思います」 願いは「子どもたちが幸せに暮らしていくこと」。いろいろな家族のカタチがあって良いと考えている。 高木美幸さん:「血が繋がってないけども、家族なんだよという。里親の家庭が、地域にあちこちにあればいいなと思います。10年間、一度もやめたいと思ったことはないし、里親になってよかったなと思います。子どもたちが普通に幸せに暮らせていることが、その源ですかね」 <里親と里子の願い> 高木さんは取材を受けるにあたり、里子に「まわりの人に、お母さんが里親だと知られて困ることはある?」と聞いたそう。その子は「ない」と言って「里親家庭で育っている子どもがいることを、たくさんの人に知ってほしい」と答えてくれたと、嬉しそうに話していた。 <里親制度を知る> 里親には、養子縁組を目的とせず、子どもが家庭に戻るまでの一定期間預かる「養育里親」 そして、虐待の影響や障害があるなど専門的な支援が必要な子どもを預かる「専門里親」 また、養子縁組を前提とする「養子縁組里親」 さらに、親戚などが養育する「親族里親」がある。 里親になるために資格は必要ないが、児童養護施設などでの研修と家庭環境の調査がある。その後、審査を経て登録。専門の職員が検討したうえで、正式に里子を迎え入れることになる。 また国からの支援もあり、例えば里子1人当たり月額9万円と生活費。そのほか必要な医療費なども支給される。 里親制度についてもっと知りたい場合は、近くの児童相談所などに問い合わせを。

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