クマ討伐隊「パートに命かけられない」OSO越えクマも【詳細版】【知ってもっと】(2023年11月13日)

 クマの駆除に対する執拗(しつよう)なクレームが、全国で問題になっています。    ハンターの男性は、報酬など自治体からの支援が少なすぎる現状に「命がけでそんな馬鹿げたことをやってられるか」と苦言を呈しています。 ■「野生生物と社会」学会…緊急声明を発表  アナウンス:「この地区において、クマが目撃されています」  緊張した雰囲気に包まれた秋田県の大館市。クマがいるのは、カキの木の上です。親子なのでしょうか、2頭のクマがカキを食べています。  警察:「上がってる人、危ない」  2頭のクマは20時間以上、登り降りを繰り返していたといいます。何度か爆竹を鳴らし続けると、クマの姿は見えなくなりました。  過去最悪のペースで広がるクマ被害。自治体では駆除など対策に追われています。  しかし、先日も番組が伝えたように、クマの駆除を巡っては、自治体に対して執拗な抗議の電話やメールが寄せられている問題があります。  12日、研究者らでつくる「野生生物と社会」学会は、緊急声明を発表しました。  「野生生物と社会」学会 緊急声明:「クマ類は人との軋轢(あつれき)が大きく、付き合い方を間違えれば人命を奪うこともあり、一定数の捕獲は欠かせません。関係者への配慮の無い電話や執拗なクレームは、関係者の努力をくじき、かえってクマとの共存を妨げる結果を招きます」 ■“命がけのボランティア”複雑な胸の内  実際に、命がけでクマと向き合うハンターも、複雑な胸の内を明かします。  北海道猟友会 標茶支部 後藤勲支部長(80):「今、これだけ大騒ぎになっているから、やっぱりハンターの立場をきちっとしてもらわんとダメ」  こう話すのは、北海道の標茶町などで牛66頭を襲ったとされるクマ「OSO18」を追っていた地元猟友会の後藤さんです。7月にOSO18が駆除されたときも、苦情が殺到したといいます。  後藤支部長: 「(クマを)撃ったことによって、誹謗中傷がどんどん出てくるってバカな話はない。私は共存というのは100%あり得ないと思っているから。このままほったらかしていたら、共存どころの騒ぎではない。人間がオリに入って歩かないといけない時代ができてくる。我々だって(クマを)かわいそうだと思うよ。思うけど、やはり被害に遭った人、遺族や兄弟親戚のことをどう思っているのか。(抗議をする人が)広い土地を持って、そこにクマを放して自分たちで管理してくれるなら、誰も殺さない。だけど、それはできるわけないから、やむを得ないでしょう」  クマハンターは、“命がけのボランティア”とも呼ばれます。国や自治体などからの支援が少なすぎるためです。 ■ハンターの高齢化も…深刻な問題  ハンター歴60年以上の後藤さんでも…。  後藤支部長:「熊が出たから(我々が)出て行ったって、パートの金額しか出ないんだから。(パトロール)4時間以内だったら6000円で、それを1割引かれて。パートに行くのに命かけて、そんな馬鹿げたことやってられるか」  3年ほど前から、パトロールが4時間を超えると1万2000円支給されるようになりましたが…。  後藤支部長:「やっぱり我々、ボランティアって頭あるからね。金を出せとは口が裂けても言えない。義務でもなんでもないワケ。出ていかなければ出ていかないで『鉄砲を持ってるのに、あいつら何だ』と、こうなるワケでしょって。どっちに転んだって、ハンターに良い結果にはならない」  北海道では、ヒグマ1頭駆除するごとに、慰労金として1万円から5万円程度が支給されます。しかし、命がけの代償としては少ないと言わざるを得ません。後藤さんの自治体は、慰労金そのものが出ないといいます。  高齢化も深刻な問題だというハンター。財政支援を強化すれば、若手は増えるのでしょうか。  後藤支部長:「金を出すから鉄砲を持てというのは、なかなか難しいと思う。やはり趣味でやるということが、最初になってしまうから。言われて持つものでもない。昔は鉄砲持っていると白い目で見られてね。今ようやく日の目が出てきている感じ。そのころには、みんな年取っているから。これから大変じゃないかと思うよ。今の若者はパチンコやったり車持ったり、そういうものにお金を使うから。1回に何十万円もする鉄砲を買って、毎年警察に検査を受けて、大変な目にあって。そこまでして、オレだったらもう(鉄砲)持ちたくねえな。正直言って」 ■“OSO2世”最警戒…「OSO18のDNAを持ったクマが」  そんな後藤さんが今、最も警戒するのが“OSO2世”の存在です。  後藤支部長:「(駆除されたOSO18の)顔に4つぐらい傷があった。世代交代で、次のクマが出てきて、それと戦ったのか。暑さで、ある程度まいっていたのか」「(Q.OSO18よりも強いクマは?)当然いるから、なんぼでも。ましてや4年も前からOSO18がウロウロしていたということは、OSO18のDNAを持ったクマが親になって来るワケだから。そうすると、また牛を襲うということ」  “命がけのボランティア”に、安息できる日は来るのでしょうか。 ■国に支援を要請…“抗議”に対する呼び掛けなど  全国最多の被害が出ている秋田県では、弾丸や薬きょうの費用を補助することに加え、猟友会メンバーへの財政支援として、1頭あたり5000円の慰労金を支給する方針を示しました。  北海道や東北の8道県は13日、国に対して抗議に対する呼び掛けを含むクマ対策の支援などを要請します。  岩手県 達増拓也知事(10日):「『クマを撃つのはかわいそう』とか、電話が自治体に殺到することがあって。必要があれば、駆除するものだと政府から国民に周知してほしい」  国に求めるのは、現在ニホンジカとイノシシが対象の指定管理鳥獣にクマ類を追加することなど4項目です。 (「グッド!モーニング」2023年11月13日放送分より) [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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