「桜三月散歩道」井上陽水(遠藤さくら)

1973年12月1日発売の井上陽水3枚目のアルバム『氷の世界』B面の3曲目(全体の10曲目)に収録。 当時の日本人アーティストの作品としては珍しく、ロンドンでレコーディングされた。 発売日、陽水の地元、福岡市天神の福岡ビルにある「日本楽器天神店」(現:ヤマハミュージックリテイリング福岡店)では、開店前の朝8時頃に客が大勢殺到し、まだシャッターが下りた店の前で係員4、5人が、積み上げた段ボール箱からレコードを取り出し、汗だくで即売をしたという逸話がある。 『氷の世界』は100週以上BEST10に留まるなどロングセールスを続け、発売から2年後の1975年8月に日本レコード史上初のLP販売100万枚突破の金字塔を打ち立てた。オリコンのLPチャートでは5度も1位に返り咲くという記録を持っており、「100万枚突破記念盤」とレーベルに印刷された盤が存在する。 作詞:長谷邦夫 作曲:井上陽水 編曲:星勝 この曲は元々、赤塚不二夫の個人誌『まんがNo.1』の付録ソノシート用に作られた曲(『まんがNo.1』第3号 1973年3月1日)。 作詞がフジオプロのブレーン、漫画家の長谷(ながたに)邦男。 というより、長谷の詩集の一編を陽水が選んで、曲を付けたもの。 『まんがNo.1』の付録に入っていた「桜三月散歩道」は、歌詞も台詞も今聴けるものとは違う。台詞を語っているのは、ポリドールのミキサー(大野 進)だった。 この曲の中で陽水がナレーションする部分がある。 桜の季節の歌詞なのに、語られる情景はなぜか夏だ。  夏の日の夕方 学校から帰ると僕たちは  みんな真っ白なシャツを着て  色の剥げた貨物船のような倉庫の有る  細い道に集まり  それから川の堤に駆け登るんだ  みんなで影を連れてね  夕日が太い煙突に吸い込まれるまで  影ふみをして遊ぶんだ  影を踏もうとすると  影は驚いた魚のように逃げたっけ 実はこの情景は福岡の筑豊地方を流れる遠賀川だと思っていた。 そして煙突は筑豊炭鉱の発電所の煙突。 なぜなら、陽水が福岡出身という単純な理由。 でも、この歌を作詞したのは漫画家の長谷邦夫なんだよね。 歌詞は東京の柴又の江戸川河川敷あたりの風景をイメージして作ったようだ。 だから福岡とは全然関係がなかった。 下記が原詩の一部で、そこにはちゃんと場所が特定されている。  秋 やっぱり夕方近くになると僕たち子供は家の窓を開け  涼しくなった空を見上げてから  江戸川の堤に駆け登るんだ  みんなで影を連れてね  帝釈天の向こうの夕日が  太い煙突に吸い込まれるまで  影踏みをして遊ぶんだ 陽水はこの歌をリリースしたときにここの部分を自分なりにアレンジした。 詩は陽水の独特な世界に導いているように感じる。 個人的にはやはり陽水は遠賀川を思い浮かべて歌詞を変えたのではないかな。 原曲のソノシートバージョンはここで聴けます。    • 桜三月散歩道 赤塚不二夫のまんがNo 1バージョン   井上陽水    町へ行けば人が死ぬ  町へ行けば人が死ぬ  今は君だけ想って生きよう  だって人が狂い始めるのは  だって狂った桜が散るのは三月 普通なら四月だよね、桜の散歩道。 三月に川辺で散っていくのは、狂った桜なのかもしれない。 ただでさえ死や狂気と結び付けられることが多い桜だが、ここではさらに桜がおかしくなっている。 狂った恋の歌、それが「桜三月散歩道」。 ・・・・・・深い歌詞だな・・・。 #桜三月散歩道 #遠藤さくら

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