Obsidian『ナツヂカラ』(The Power of Summer)

うちらの夏は、中継されない 火曜の昼の市民球場 客より部員が多いスタンド 凹んだメガホン、借りたキャップ 日焼けの境目、袖をまくる 校歌は勝った方しか流れない そういう決まりの夏だから 喉の残量なんて考えない かっとばせじゃ足りないから 下の名前で叫ぶんだ テレビに映らないこの試合 うちらだけの生放送 喉は来週治るけど 夏は二度と治らない 見せて見せて夏ヂカラ 五秒のニュースにさせない 相手のブラバンの方が上手くて ちょっと笑えて、ちょっと悔しい 手動のスコアボード、ゼロを差し替える おじさんの背中まで覚えてる アルプスじゃない、ただのコンクリ 薄まったカルピス飲み干して それでも九回は平等に来る かっとばせじゃ足りないから 下の名前で叫ぶんだ テレビに映らないこの試合 うちらだけの生放送 喉は来週治るけど 夏は二度と治らない 見せて見せて夏ヂカラ 五秒のニュースにさせない 巻き戻しも、再放送もない 一球ごとに減っていく夏 だから覚えとく、全部 この声の枯れ方まで 九回裏、二死満塁 誰も録画してない だから—— かっとばせじゃ足りないから 神様にもタメ口で頼む テレビに映らないこの球場が いま世界の真ん中 喉も来週もくれてやる 夏は二度と戻らないから 見せて見せて夏ヂカラ ピッチャー、振りかぶって—— いけーーーっ!!