がんで「余命半年」宣告…俳優・斎藤歩がそれでも舞台に立ち続ける理由「僕がやろうとしてることって代わりのいないことじゃないかな」
札幌市に、がんで余命宣告をされながらも活動を続ける舞台俳優がいます。 彼が舞台に立ち続ける姿を、カメラが追いました。 斎藤歩さん、58歳。札幌を拠点に全国で活躍する、舞台俳優です。 今年1月、余命半年と宣告されました。 斎藤歩さん(58) 「『抗がん剤治療しなきゃだめだね』って言われて、抗がん剤なら勘弁してくれって言ったら、『このままだともって半年かな』とか言われて」 しかし、斎藤さんが重くとらえることはありませんでした。 斎藤歩さん 「俺は言うからね、隠さなかったから。『がんなんだ、がん!』って。そしたらみんな、『ああそうですか』って言うしかないもんね」 北海道大学在学中に、演劇の世界に足を踏み入れておよそ40年。 映画『探偵はBarにいる』など、数々の作品にも出演し、道内の演劇界を牽引する存在として、表彰されるほどです。 そんな彼に異変が現れたのは、札幌で、東京オリンピックのマラソンが行われたおととしの夏のこと。 斎藤歩さん 「おととしの8月ごろ、突然血尿が出た。泌尿器科行って『変だな』って思って。お医者さんは石(尿路結石)じゃないかって言ったんだけど、精密検査をしたら『変だ』と」 診断は「尿管がん」。「これは治る」。そう伝えられ、手術を受けました。 しかし、3か月後、経過観察で検査を受けたところ、新たな事実がわかります。 斎藤歩さん 「結局リンパのがんだった。『尿路上皮がん』、それが発端のがんじゃないかってお医者は考えてるんだけど、でも転移したのかな、ちょっと分かんないみたい」 新たな診断は「尿路上皮がん」。ステージ4でした。 このとき、斎藤さんの頭に浮かんだのは、「舞台に穴は空けられない」。 カメラが密着したこの時も、舞台の合間を縫って治療を受け、退院したばかり。 斎藤歩さん 「本当は2週間入院しなきゃいけない。だけど主治医と相談して、4日の入院で手を打ったの」 出した結論は、舞台との両立を図りながら、治療を続けることでした。 これは、舞台前の準備の様子。 抗がん剤治療の副作用で、手がしびれ、上手くいきません。 足先の感覚も鈍く、歩くにも一苦労です。 斎藤歩さん 「12月入院したらもっとひどくなるんじゃないかな、どうなっちゃうんだろう」 先月15日、稽古を終えて帰宅すると、リビングは、まるで寿司店のカウンターです。 斎藤歩さん 「頭おかしいでしょ、こういう人がね、うち帰るといるのよ」 俳優 山野久治さん 「あら帰って来たの」 不定期に、斉藤さんの自宅マンションで開かれる寿司パーティー。 30年来の俳優仲間が、銀座の有名店「Q」の白木のネタ箱を持ち込み、趣味で寿司を握るのです。 仕事や病気のことを気にせず、こうして仲間たちと過ごすひと時も、貴重な時間です。 舞台開幕の前日。直前まで細かな調整を続けます。 斎藤歩さん 「皆さん“緊張してる”とかそういうことを期待してるけど、俺ねえ、緊張ができないの。うまくいくかなって心配はしてるけど」 思うように動かせない身体…周囲の不安をかき消すように、力強い声が、劇場に響きます。 迎えた舞台初日。開演が迫り、満杯の客席。 一方、斎藤さんはというと… 斎藤歩さん 「あと10分もあるね。もうちょっとしたら降りよう」 自分のペースは崩さないようです。 物語の舞台は樺太と礼文島。人形劇と演劇で描く、不条理劇です。 観客 「斎藤さんと(人形劇師の)沢さんのかけあいがおもしろくて」 「思ってもみなかった(舞台セットの)使い方をされているのがすごくおもしろかった」 斎藤歩さん 「今日は優しいお客さんだったっていうのもある。だけどこの方向で行っていいんだっていうことと、もう少し精度を上げられるなって感じが」 今回も、舞台が終わったタイミングで再び入院です。 彼が、自分の命よりも、演劇にこだわる理由とは。 斎藤歩さん 「治療を優先したところで生きてる保証もないわけですし、僕がやろうとしてることって、代わりのいないことじゃないかなって。やるしかないんですよね」 今後は一旦治療に集中し、すでに決まっている脚本・演出業に専念するということです。 2023年12月12日(火) 18時13分 更新 #北海道 #ニュース #HBC ◆HBCニュース チャンネル登録お願いします。 https://www.youtube.com/channel/UCCTp

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