変わろうとする刑務所 “懲らしめ”から“立ち直り”重視、刑務官に戸惑いの声も 名古屋刑務所で密着取材 (25/12/15 15:13)

“懲らしめ”から“立ち直り”へ。刑務所のあり方が変わり始めています。受刑者と刑務官が一緒に合唱する姿も…。一体何が起きているのか、名古屋刑務所の今を取材しました。  朝の7時半。刑務官の号令で一日が始まります。  愛知県みよし市にある名古屋刑務所には、約450人の受刑者が収容されています。  このうち、犯罪を繰り返して刑務所に戻ってきた「累犯」は7割以上。高齢者の割合は全体の約2割にあたります。  受刑者はこれまで、刑務所の工場で木工や金属加工などの「刑務作業」を行ってきました。  しかし、その刑務所で見られるようになった光景が…。  合唱するのは、高齢の受刑者。名古屋刑務所では約2年前から、高齢や精神疾患の疑いがある受刑者などに対して「特別な更生プログラム」を取り入れました。 不祥事が相次いだ名古屋刑務所  看守長の大塚祐一郎さんは、名古屋刑務所の昔と今を知る刑務官です。 「刑務所のルールを守ることが、社会に出た時に社会のルールを守れる。このことを中心にやっていたのが昔の刑務所だったと思う」(大塚さん)  名古屋刑務所は、度重なる不祥事で批判を浴びてきました。  2001年に刑務官が消防用ホースで受刑者の肛門に放水し、受刑者は死亡。  翌年には、刑務官に革手錠付きベルトで締め付けられた受刑者が死傷する事件も。 「そっと近づいてきて、後ろからフードかぶせて蹴ったり踏んだりするとか」「刑務所に収容された者は人権がない」(2002年に取材した元受刑者)  20年後、再び刑務官による集団暴行が発覚。  「なくした信頼を取り戻す」取り組みが、特性に応じた更生プログラムなのです。  陶芸は、刑務官の指導を受けながら、高齢の受刑者が手先を動かして身体の機能を維持する目的があります。 「彼らが社会に出た時に、再犯を起こさないために、居場所を作ってあげる、居場所が作れるような引き継ぎ方をしてあげる場所になったと思う」(大塚さん) 刑務官にも戸惑い  受刑者に対する、刑務官の対応にも変化が…。  落ち着きを失い、「この野郎、バカにするな!」と突然怒り出した受刑者をなだめます。 「俺わかる?顔見て」(大塚さん)  規律を乱す行動は、これまで「独居房に謹慎する」など懲罰の対象でしたが、受刑者の年齢や特性を踏まえ、懲罰にはしませんでした。 「今の処遇が最初は正直受け入れられなかった。甘いんじゃないのか、こんなことでいいのか、これを許していいのか、本当に寝られない日々だった」(大塚さん)  現場の刑務官からは、様々な声が。 「刑に服する悪いことをして収容されているにもかかわらず、楽しそうにやっているふうにみえちゃう」(刑務官) 「今の時代の流れに沿ったやり方だとは思っている。それが正解なのか不正解なのかは自分たちにもわからないけれど、昔のような殺伐とした感じではなくなったのは間違いない」(刑務官)  一般の受刑者は、今後も刑務作業を中心に教育や指導の時間も確保される形になります。  一方、高齢の受刑者などに対しては「更生プログラム」を行う環境を増やしていく方針です。  「懲らしめ」から「立ち直り」重視へ。更生プログラムについて、名古屋刑務所の所長は…。 「(更生プログラムを受けるのは)現時点では受刑者の一部なので、今後どうやって広げていくのかは課題になる。完成形に向かって少しずつ進んできているのではないのかな」(名古屋刑務所 森田裕一郎 所長) 「拘禁刑」の導入が背景に  名古屋刑務所の「更生プログラム」は、今年6月に導入された「拘禁刑」の趣旨を先駆けて取り入れたものです。  これまで、刑務作業の義務がある「懲役刑」と刑務作業の義務のない「禁錮刑」がありました。  この2つの刑を1つにしたのが「拘禁刑」です。  刑務作業を義務とせず、受刑者の年齢や特性に応じた「更生プログラム」を行います。  導入の背景にあるのは、2人に1人といわれる高い「再犯率」。再犯率を少しでも減らし、受刑者の社会復帰に重点を置くのが「更生プログラム」です。  例えば、薬物依存の受刑者にはそれぞれのレベルに合わせたパソコン作業が取り入れられています。  精神疾患の疑いがある受刑者には、農作業のプログラム。一般の受刑者に対しては、コミュニケーションを向上させるプログラムなどを用意しています。

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Rare Access: INSIDE Japan's STRICTEST Prison Kitchen!
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