秋風が乗れと ー高野ムツオ自選十句よりー 4K

高野ムツオさんは1947年生まれ。金子兜太の「海程」を経て佐藤鬼房に師事。現在は、鬼房の志を継いで「小熊座」を主宰されています。宮城県多賀城市在住。2011年には東日本大震災を体験。第五句集「萬の翅」で第六十五回読売文学賞、第六回小野市詩歌文学賞、第四十八回蛇笏賞を受賞しています。 この作品は、意外にもファンタジー映画のイメージを纏っていると、作者自ら語っています。子どもの頃から漫画やアニメに親しんできたという作者。これは、そうした体験の中から生まれた一句なのでした。自在な詠みぶりに驚嘆する読者も多いのではないでしょうか。またこの章では、俳句の手解きをしてくれた阿部みどり女(1886-1980)の思い出も語られています。女性俳人の草分けとして活躍したみどり女。前衛的な作風で知られる作者の俳句の原点は、写生を旨とする伝統俳句だったのです。