蕗(ふき)の葉っぱの小さな隣人

蕗の葉の下に暮らしよった、小さな小さな隣人――コロボックル。 姿は見せんけれど、 夜になると鮭や山菜をそっと届けてくれる、 心やさしい存在じゃったそうな。 人間とコロボックルは、 長いあいだ信頼で結ばれとった。 けれどある日、 「一目だけでも見てみたい」 そんな小さな好奇心が、 大切な絆を壊してしまうことになる。 見えんからこそ信じること。 知らんままでおる優しさ。 そして、一度失った信頼の重さ。 昔話の姿を借りながら、 人と人との関わりについて静かに問いかける物語です。 蕗の葉が風もないのに揺れたら、 もしかしたら今もどこかで、 小さな隣人たちがこちらを見よるのかもしれません。 どうぞ最後までお楽しみください。 語り・制作 Masaru↽szk(マサルスズク) A&W(Audience & Writer) 「目に見えんからこそ、大切にせんといけん絆もあるんよ。」 #蕗の葉っぱの小さな隣人 #コロボックル #昔話 #童話 #日本の伝承 #朗読 #物語 #癒し #信頼 #絆 #ファンタジー #AandW #Masaru_szk #おるけ #伊予弁 ▼歌詞▼ 『蕗(ふき)の葉っぱの小さな隣人(りんじん)』 【出会い:そおっと、仲良く】 ​むかしむかし、まだこの土地に大きな森が広がっとった頃のお話。 そこには、人間のほかに、蕗(ふき)の葉っぱの下に隠れるくらいの小さな小さな神様──コロボックルたちが住んどったんよ。 ​彼らはとにかく恥ずかしがり屋で、人間の前に姿を見せるのが大嫌い。 じゃけんど、ものすごうハートがあったこうて、おせっかいやきなんよ。 ​「トコトコトコ……」と夜中に足音を忍ばせては、人間たちの家のまどべに、 「ドンッ!」と、自分たちの体より大きなピチピチの鮭(しゃけ)や、 「ツヤツヤ〜」と光る美味しい山菜(さんさい)を、こっそり置いていってくれる。 ​朝起きてそれを見つけた人間たちは、 「あぁ、またコロボックルがごちそうを置いていってくれたわい。ありがたいなぁ」 と、姿は見えけんど、すぐそばにいる優しい隣人(りんじん)に感謝しながら、仲良く暮らしとった。 【好奇心:どうしても見たいんじゃ!】 ​ところがのう……人間いうのは、贅沢な生き物じゃ。 いつもお世話になっとるけぇ、お礼が言いたい。いや、それよりも…… 「いったい、どんな可愛い顔をしとるんじゃろう? ひとめだけでええけん、見てみたいわい!」 という好奇心が、ムクムクと膨らんでしもうた若い男がおったんじゃ。 ​男は毎日、窓の隙間から外を「ジィーーーーッ」と覗き込んで、彼らが来るのを待ち構えとった。 だけど、耳のいいコロボックルたちは、男の「フガフガ」すう はないきをさっちして、なかなか近づいてこん。 ​「こうなったら、罠(わな)を仕掛けるしかないわい!」 ​男は、コロボックルが大好きな甘い木の実を窓辺に置いて、今度は死んだふりをしてじっと待つことにしたんじゃ。 【事件:ガシッ!と掴んだその後に】 ​ある静かな夜。 「カサコソ……カサコソ……」 蕗(ふき)の葉っぱが揺れて、小さな影が近づいてきた。 ​「おっ、美味そうな木の実があるぞなもし♪」 コロボックルが安心して、小さな手で木の実を「パクッ」と掴んだ、その瞬間! ​「ウリャァッ!!」 死んだふりをしとった男が、ものすごい勢いで手を伸ばして、コロボックルの腕を「ガシッ!!」と掴んでしもうたんじゃ! ​「ギャーーーッ! 手を離せー!」 「うわぁ! 本当にちょんまくて、可愛いがや!」 ​コロボックルは「バタバタ!」「ジタバタ!」と大暴れ。 男は「ほうかほうか、お前がコロボックルかぁ」と大喜びで顔を覗き込んだ。 じゃけど、あまりの必死さにハッと我に返って手を離すと、コロボックルは「いちもくさん」──いや、「コケッ」と転びながらも、「スタコラサッサーー!」と暗闇の奥へ飛ぶように逃げていってしもうたんよ。 【spoken別れ:去っていってしもうた切なさ】 ​(それがのう……。 ​ただひとめみたいっていう、人間のちっぽけな好奇心じゃったんじゃけど、コロボックルたちにしてみたら、一番大切にしとった「信頼」を、 「ペリペリペリーーッ」と引き裂かれたような気持ちじゃったんじゃろうよ。 ​『あんなに仲良くしとったのに、うちらを捕まえるなんて、人間はやっぱり恐ろしいわい……』 ​次の日から、窓辺に「ドンッ」と鮭(しゃけ)が置かれることは、二度となかったんよ。 それどころか、森の中から「カサコソ」いう優しい物音も、ピタッと止まってしもうた。 ​「しもたことをしたなぁ……」 男は涙を「ポロポロ」流して後悔したけんど、もう遅い。 彼らは「寂しいねぇ、切ないねぇ」と言いながら、荷物を「そそくさと」まとめて、ずーっと遠い北の果ての国へ、みんなで去っていってしもうたんじゃと。 ​いにしえの人はの、 「目に見えんからこそ、大切にせんといけん絆もあるんよ」 って、この切ないお話をトツトツと語り継いできたんじゃ。) ​【現代:いまも、どこかで】 ​それから長いさいげつが流れたけんど、今でも山や森に入って、蕗(ふき)の大きな葉っぱが「ゆら〜り、ゆらり」と風もないのに揺れとることがある。 ​もしかしたら、あの日おこって北へ行ったコロボックルたちの子孫が、 「人間たち、もう悪さはせんかな?」 と、「チラッ」とこちらを覗き見して、いたずらっぽく「ニヤリ」と笑っとるんかもしれんの。 蕗(ふき)の葉が、ふわりと揺れた。 風は吹いとらんかった。 わしは立ち止まって、 そっと頭を下げた。 「もう捕まえたりせんけん」 「安心して暮らしや」 森の奥から、 クスクスと笑うような声がした気がした。 …おるけ。

[吟遊詩人]世界で1番美しい宝を持った兎の話。過去の名作を6分物語歌に。[貝の火]宮沢賢治
▶︎

[吟遊詩人]世界で1番美しい宝を持った兎の話。過去の名作を6分物語歌に。[貝の火]宮沢賢治

じごくのそこから、そらへ!うちゅうへ!
▶︎

じごくのそこから、そらへ!うちゅうへ!

The Glowing Deer’s Blessing: Surviving a Savage Blizzard in a Cave Shelter | Ghibli Inspired ASMR
▶︎

The Glowing Deer’s Blessing: Surviving a Savage Blizzard in a Cave Shelter | Ghibli Inspired ASMR

【まんが日本昔ばなし】『水神さまと虹の橋』
▶︎

【まんが日本昔ばなし】『水神さまと虹の橋』

Life of Mata the Snow Country Cat in Subzero Winter | Old Japan Countryside Living
▶︎

Life of Mata the Snow Country Cat in Subzero Winter | Old Japan Countryside Living

【三毛猫】ボクが男の子だったら、選んでもらえたのかな…
▶︎

【三毛猫】ボクが男の子だったら、選んでもらえたのかな…

15 Minutes Reiki Healing Music to Release Negative Energy & Stress #healingmusic
▶︎

15 Minutes Reiki Healing Music to Release Negative Energy & Stress #healingmusic

手嶌葵/明日への手紙『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』主題歌(Full Cover by コバソロ & 安果音)
▶︎

手嶌葵/明日への手紙『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』主題歌(Full Cover by コバソロ & 安果音)

一度は聴いたことがある、サティの永遠のピアノ名曲
▶︎

一度は聴いたことがある、サティの永遠のピアノ名曲

【まんが日本昔ばなし】『姉川と妹川』
▶︎

【まんが日本昔ばなし】『姉川と妹川』

[吟遊詩人]あるパンにかけた皮肉な魔法の話。過去の名作を5分物語歌に。[魔女のパン O・ヘンリー]
▶︎

[吟遊詩人]あるパンにかけた皮肉な魔法の話。過去の名作を5分物語歌に。[魔女のパン O・ヘンリー]

忘れじの言の葉
▶︎

忘れじの言の葉

[吟遊詩人]過去の名作を5分で聴けるlo-fiな物語歌に。[死神の名付け親 グリム童話]
▶︎

[吟遊詩人]過去の名作を5分で聴けるlo-fiな物語歌に。[死神の名付け親 グリム童話]

20-Min Reiki Healing Music for Positive Energy & Stress Relief #healingmusic
▶︎

20-Min Reiki Healing Music for Positive Energy & Stress Relief #healingmusic

Two Organists Accidentally Hit FULL ORGAN During Highland Cathedral 😳
▶︎

Two Organists Accidentally Hit FULL ORGAN During Highland Cathedral 😳

幻灯の園
▶︎

幻灯の園

🎵 NISAじゃったんかい!
▶︎

🎵 NISAじゃったんかい!

五十四の縁
▶︎

五十四の縁

【海外の反応】「なぜこんなにも違うんだ…」日本旅行で味覚が崩壊する外国人が続出する理由
▶︎

【海外の反応】「なぜこんなにも違うんだ…」日本旅行で味覚が崩壊する外国人が続出する理由

「物の怪に取り憑かれた」と鎖で繋がれた大店の若旦那。唯一声をかけ続けた下女の「毎朝の一言」が、十二年間閉じた心の扉をゆっくりと開いていった  野談  伝説  昔話  説話  民話
▶︎

「物の怪に取り憑かれた」と鎖で繋がれた大店の若旦那。唯一声をかけ続けた下女の「毎朝の一言」が、十二年間閉じた心の扉をゆっくりと開いていった 野談 伝説 昔話 説話 民話