記憶を喰らう時計塔

記憶を喰らう時計塔 Lyrics by eumbbong 雨が降る深夜 路地裏の行き止まり 怪しく佇む 古いクロックワークの時計塔 望みがあるならば 何でも叶えよう 扉の奥から響く 正体不明の機械の声 ただし 奇跡には相応の代償が必要だ 最初の願いは「非凡な才能」が欲しいこと 明日から僕は 誰もが羨む存在になった その引き換えに失ったのは「最も大切だった親友の名前」 あれ 僕を呼ぶあの子は 誰だっけ 構わないさ この程度の記憶なんて どうでもいいから チク タク と動き出す 冷酷な歯車の連鎖 願いが叶うたびに 僕の心が壊れていく 輝く金貨と引き換えた 昨日の思い出たち 燃え上がる欲望に目を奪われ 悲しく踊るマリオネット 甘い奇跡の香りに溺れ 帰る道を失った 二つ目の願いは「果てしない富と名誉」 三つ目の願いは「僕を拒んだあの人の愛」 望む全てがこの手に集まるたびに 僕の頭の中の大切な記憶が 一つずつ消えていく 母親の温かい抱擁も 初恋の愛しい笑顔も 全て白いノイズの底へと消え去っていく 欲望の果てはどこにある 時計塔は冷たく嘲笑う 僕はもう止められない 暴走するトレイン 最後の願いは この酷い孤独を消してくれということ チク タク と動き出す 冷酷な歯車の連鎖 願いが叶うたびに 僕の心が壊れていく 輝く金貨と引き換えた 昨日の思い出たち 燃え上がる欲望に目を奪われ 悲しく踊るマリオネット 甘い奇跡の香りに溺れ 帰る道を失った 部屋を埋め尽くす栄光と金銀財宝 世界中が僕を見上げて歓声を上げている だけど何故だろう 胸の中が空っぽで冷たいんだ 鏡の中に映る見知らぬ瞳に 声をかけてみるけれど 奇跡は全て終わった 時計塔の扉が閉まり 僕の手元に残ったのは 完璧に成功した今日の僕 だけどおかしいな 一番大切なことが思い出せない 僕はなぜこれを望んだ 僕はなぜ願いを乞うた いや その前に 「僕」という人間は 一体誰だったっけ 空っぽの器だけが残った 部屋の隅の怪物 名前も 過去も 失った自我の終焉 次の客は 何を望む