若者100人と衆院選挙の夜に考える「格差を解決する方法」【選挙ステーション2021】【これで未来は大丈夫?】
令和初の総選挙が行われました。様々な問題が山積するなか、日本のかじ取りを託されたリーダーたちはどんな未来を描くのでしょうか。 4人の若き賢者『Thinker』と共に日本の未来について考えていきます。 World Road共同代表・平原依文さんは、8歳から単身4カ国に留学。日本の教育を変えるため、幅広い世代にSDGs教育を行う起業家です。 イエール大学助教授・成田悠輔さんは、夜は助教授、昼は日本の会社代表。データ分析でビジネスや政策をデザインする新進気鋭の経済学者です。 時事YouTuber・たかまつななさんは、若者と政治の距離を縮めるため、動画発信や全国の学校で出張授業を行っています。 プロデューサー、研究者・若新雄純さんは、女子高校生がまちづくりを担う鯖江市役所JK課など、社会実験的プロジェクトを企画しています。 『Thinker』の4人にはそれぞれ、日本の未来を大丈夫にする解決策を提案して頂きます。 ●テーマ「若者の格差社会をなくすためには」 ◆平原依文さんの解決案【学歴中心の履歴書から、経験中心の履歴書へ】 私には夢があって、それは社会にある色んな境界線を溶かしていくことです。そのなかでも最も溶かさなきゃいけない境界線は『学歴の境界線』だと考えています。 正直、今の日本は、学歴を重要視し過ぎだと思います。いい大学を卒業して、いい企業に入社する、それが高収入につながって、それが成功として捉えられる。これが果たして本当に当たり前なのでしょうか。 そのレールに乗れない、または落ちてしまうと、失敗として捉えられ、結果として収入が下がってしまっているというのが今のスタンダードだと思います。 つまり、この学歴社会こそが経済格差の原因であると思います。だからこそ、人を評価する判断基準は学歴ではなく、その人個人が持つ唯一無二の経験。いつからでも、自分の頑張り次第で結果も生み出せて、収入格差がなくなると思います。 そのためにまず、企業が変わる必要があります。企業が学歴を重要視する前に、まずその人個人の経験を重視する社会に変化する必要があります。 ここでもしかしたら「きれいごとを言っているのではないか」みたいなところがあると思いますが、実は企業も動いています。 ユニリーバ・ジャパンは実際に、履歴書から性別や顔写真をなくして、就活に公平性を与えました。これは外資系のユニリーバ・ジャパンだけではなく、日本企業も賛同しています。 「そもそも、これなんであるの?」そんな問いから始まって「それが公平性をなくしてしまっているのではないか」というところで変革を起こしてきました。 これからの企業に必要なのは、学歴ではなく、コロナで私たち一人ひとりが経験したように、誰も予想がつかないことは、たくさんあると思います。ですので、学歴なしで柔軟な思考力、そして生存力を、本当に持っている人材が必要だと思います。 私たち一人ひとりが、誇りを持って語れる人間らしい経験こそが、これからの成長につながる重要なカギであり、そのためにも今の学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書に変える必要があると思います。 ◆成田悠輔さんの解決案【格差をもっと作り出そう】 これは真面目な答えでして、そもそも日本は経済格差が大して広がってない国です。 例えば、所得や収入の格差を見ても、資産の格差を見ても、ここ10年20年ぐらいで、日本社会ではほとんど格差が広がっていないと知られています。 日本で起きているのは格差の拡大ではなく、むしろある種の“一億総貧困状態”が起きていると思います。 昔に比べて、すごく貧困にあえいでいる家庭や、子どもの貧困が増えていることは事実だと思います。しかし、それは、どこかのお金持ちや恵まれた人たちが、貧しい人からお金をむしり取っている結果で起きているわけではなく、国全体が貧しくなって縮んでいるから、そうなっているのだと思います。 実際、貧しい人もお金持ちも等しく、昔に比べると貧しくなっています。アメリカとかヨーロッパのいくつかの国のような、いわゆる格差が拡大していると言われている国の状況と、全く違うことが起きています。 なぜ格差が広がらず“一億総貧困状態”になっているかというと、それも簡単だと思います。普通、どういう時に格差が広がるかを考えてみると、例えば、大きな産業が勃興したり、新しいビジネスが生まれたりして、新しい富が作り出される。その富の分配が歪んでいる場合に格差が広がるというのは、典型的なパターンです。 分かりやすい例は、過去30年間でIT産業が勃興して、そこから生み出された巨大な富が、GAFAみたいな一部の企業の経営者や起業家、投資家だけに回ってしまって、格差が広がっていると思われているアメリカみたいな国だと思います。 これと比べると、日本の場合は幸か不幸か、過去30年間、新しい富や産業を作り出すことが、ほぼ全くできなかったわけです。新しく作り出されていないので、その分配を間違えようもない。単純に格差を広げる力もないということだと思います。 「格差が拡大している」という存在しない問題にこだわりすぎる前に、まず格差を作り出せるぐらいのところまで、日本の経済や産業が力を取り戻すことが先ではないかと思います。 一度、その格差をつくり出す力が生み出されて、格差が一定以上になれば、今のアメリカとか、すごい格差社会だった戦前の日本みたいに、嵐の自浄作用みたいのが起きます。お金持ちに対する反乱運動みたいなものです。戦前の日本でも、大金持ちの暗殺運動などが起きるぐらいのところまでいきました。 そう考えると、格差が広がりすぎてお金持ちが身の危険を感じるぐらいまで、社会がやばくなるまでは、格差拡大について、あまり考える必要はないのではないかと思っています。 (Q.経済成長については、どう考えていますか) 今、僕たちが直面している問題は格差ではなく、貧困と成長が存在してないということだと思います。なので、貧困にどう立ち向かうかという問題と、成長をどう作り出すか、この2つについて考えるべきであって、格差が生まれている、どこかに邪悪なお金持ちがいるみたいな、存在しない問題や分断を作り出す必要はないと思っています。 (Q.貧困に苦しんでいる人たちに対しては、どんな政策が必要だと思いますか) まず、生活保護みたいなものが、本来はベーシックインカムに近い、皆に行き渡る社会保障の役割を果たすべきだと思います。 現状だと、もらうべき人の数十パーセントしか生活保護をもらっていないような状態です。それを100%に近付ける。可能であれば、ベーシックインカムみたいなものを導入することで、貧困の問題はあまり考えなくても生きていけるような、最低限のセーフティーネットを作ることが重要ではないかと思います。 ◆たかまつななさんの解決案【ベーシックインカムの導入】 格差問題での1番の核心は、お金がない人が生きづらくなってしまうことだと思います。そもそも今は「お金持ちが悪い」「いや努力してない貧しい人が悪い」という格差をめぐって不毛な対立が生まれています。努力して大金を稼ぐことは悪いことではないし、誰にだって当然生きる権利があります。なのに、持つ者と持たざるものがいがみ合っている。そして、ギスギスした世の中をつくっている。これが一番の問題だと思います。 例えば、生活保護を受けている人に対する過激なバッシング。生活保護をもらっているのにお出掛けするの、新聞取るんですか、焼き肉食べるんですか、こういうバッシングがありますよね。その結果、生活保護を受けられる状況にあっても、実際に利用している人の割合が、日本は極端に少ないです。国民が当然受けられる権利である生活保護を利用する人が少ないことも問題ですし、それによって不毛な対立が起きることもおかしいです。 その代わりに導入すべきだと思うものが、ベーシックインカムです。ベーシックインカムは一律に前に同じ金額を配るので、保護が必要な人に絶対にお金が行き渡ります。もらう人、もらわない人が生まれないので、対立も生まれないです。税金として高所得者の人から回収するけれど、一律給付だから、高所得者の人も「何で私がもらえないんだ」という不満は生まれません。 また、貧困を救うっていうだけではなく、お金をもらえることで「バイトをやめて、学業に打ち込もうかな」「そのお金を貯めて起用できるんじゃないか」と新しいことに挑戦できる、生活に対して希望が持てる、 そういうワクワクする社会を私は作りたいと考えています。 ◆若新雄純さんの解決案【富ではなく「運」を分配する】 僕の中では勝手に、成田さんのプランを補完するものだと思っています。基本的に、成長は大事だと思っていて、成長していくためには頑張って競争することが必要だと思いますが、その競争と、どう向き合っていくかが大事だと思っています。 競争すれば勝ち負けが生まれ、報酬にも差が出てしまいます。この勝ち負けによって全体を盛り上げようとすると、そこに格差が生まれてくると思います。ただ、競争して格差が生まれることよりも、競走した結果が、本人の努力・実力によるものと考えられていることが問題だと思っています。 だから「課税されるのが嫌だ」「自分で努力したのにいっぱい持っていかれるって嫌だ」という考えが出てしまって、分配がうまくいっていないのではないかと思います。 僕は幸い、こうやって仕事や色んな場面で恵まれていますが、ほとんど運だったと思っています。 僕はもうかなり自分の人生は運が良かったなと思っていて、それは頑張ってこなかったわけでもないけれども「頑張ったら成果を出せるな」「結果が出そうだな」と思えるような環境にあったからというのもあります。親から遺伝したものもあれば、環境もかなり大きかった。運というものとちゃんと向き合っていく必要があると思います。 色んな競争をやっていますが、遺伝だけではなく、その時代にどんなルールで競争していたかもあります。僕も時代が違えば、同じように運が使えていたと思えないし、この時代だからこそうまくいったと思っています。 結構、たまたまが重なって勝敗は決まっているなと。だから“ガチャ”というのはおかしくないと思っていて、結構、人間の社会のことを上手に表現しているのではないかと思っています。 だから僕が「こんなに運が良かったんだから、人よりも多く納税するのは当然だし、他の人にも運を分けてあげられるように、自分が儲けた結果は皆に回していこう」ということを、学校で教えるのは大事じゃないかと思っています。 小学校の時とかに、入賞した人が朝礼で、校長先生から表彰状をもらったと思いますが、必ず「貴殿の努力と功績をたたえて」と書いてあります。本人が自分の力だけで頑張ったように言っていることが良くないと思っています。今後は賞状の内容を「貴殿の努力と幸運を喜び」のように少し変える。あなたはすごく幸運だったから良い結果だった、今後、良い学校に行けるかもしれないし、仕事もうまくいくかもしれない、その時に余裕ができたら、皆に回してあげてねと。具体的には累進課税などで良いと思います。 そういうふうに、運を喜ぶ社会にして、競争を悲観的にならずに、皆で楽しんでやっていく社会が良いのではないかと思っています。 ・・・記事の続き、その他のニュースはコチラから! [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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