「ゆうこ」村下孝蔵(新木優子)
1982年4月21日発売 作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生 『ゆうこ(原題 ピアノを弾く女)』は、村下孝蔵のデビュー3年目、4枚目のシングルとして発売された。また、同年発売のアルバム『夢の跡』の2曲目として収録された。 アルバム用に録音された時の最初のタイトルは、「ピアノを弾く女」であったが、レコード会社の女性社員たちから絶賛されたためシングル化することとなり、その際「ゆうこ」というコーラスを入れ込みタイトルも変えた。 タイトルの『ゆうこ』は、当時婚約中であった副島優子の名前からとられた。 副島優子は画家の船田玉樹の娘で、音大のピアノ科卒、沢山の子どもたちにピアノを教えていたが、今はアコーディオン奏者として活動している。 村下と優子はその後まもなく結婚し、娘(シンガーソングライターの露菜)をもうけたが1985年に離婚した。村下はその後、別の女性と再婚しているが、再婚相手となった女性も「ゆうこ(裕子)」という名前である。 村下の作る歌はかなり特徴的で、決して最先端の新しい流行歌ではなく、〈懐かしいあの頃〉を思わせるような楽曲が多く、懐かしい青春時代、懐かしい恋、懐かしい風景…そういったものを、素朴な情景描写と繊細な心象描写により分かりやすい歌詞にして、美しいフォークソング的なメロディーに乗せた曲を送り出していた。 そんな作品の中にあって『ゆうこ』は、他の作品と比べてやや謎めいた雰囲気があり、村下の曲の中では異質感を覚える作品である。 どこか陰を背負う年上らしき女性に対し、どうしようもない恋情を抱えた僕が、どうにもならないはがゆい気持ちを歌にしているのだが、その歌詞がかなり幻想的。果たしてこれは現実なのか、幻なのか、聴いているものにいろいろと想像させるような魅力のある歌詞だと思う。 記憶の陰にぽつりと座り 淋しげに 白い指先 ピアノを弾く女 「ショパンが好きよ 悲しい調べ奏でれば 恋のできない私に似合い」と言った女 ピアノの音はどこか冷たく あの女は 壁に掛かったモナリザのように 子供のような 僕のことなど見もせずに 真珠のように かたく心を閉ざしてる いろいろ深く考えれば考えるほど謎めいた歌詞なのだが、そこがこの曲のたまらない魅力になっているのかもしれない。 #ゆうこ #新木優子

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